インプラント手術に入院は必要?全身麻酔・骨造成・持病で入院が検討されるケース

インプラント手術に入院は必要?日帰りが基本のケースと入院する場合を解説

インプラント手術は、局所麻酔で行う日帰りの外来手術が基本で、入院が必要になるケースは限られます。手術のリスクは、抜歯など口の中で行う小さな手術と同じ程度と考えられているためです。

一方で、全身麻酔で手術を受ける場合や、骨を増やす処置を伴う大がかりな手術、持病があって手術中から手術後まで全身の管理が必要な場合には、入院設備のある病院での手術が検討されます。入院が必要かどうかは、検査と問診の結果をもとに歯科医師が判断します。

この記事で分かること

  • インプラント手術が日帰りで受けられる理由
  • 入院が検討される主なケース
  • 入院が必要かどうかを医院で確認したいこと
  • 手術当日の帰宅と、仕事を休む日数の考え方
  • 入院した場合の費用と保険の扱い
目次

インプラント手術は日帰りが基本|入院せずに受けられる理由

手術は、歯を抜くときと同じ局所麻酔で行います。日本歯科医学会の「歯科インプラント治療指針」(厚生労働省の事業で作成)では、手術に対するリスクは抜歯などの口腔外科の小手術と同じと考えてよいとされています。意識があるまま手術を受け、終わったあとはその日のうちに帰宅するのが一般的な流れです。

手術への不安が強い場合は、点滴で鎮静薬を入れてうとうとした状態にする静脈内鎮静法を併用する方法もあります。日本歯科医師会によると、静脈内鎮静法などの精神鎮静法は入院の必要がなく、2時間程度休憩したあとに付き添いの人と帰宅する流れです。

参考:日本歯科医学会「歯科インプラント治療指針」(厚生労働省ウェブサイト掲載)/日本歯科医師会 テーマパーク8020「歯科麻酔」

インプラント手術で入院が検討される主なケース

入院が検討されるのは、手術の規模が大きい場合や、全身の状態を手術前後に管理する必要がある場合です。どのケースでも必ず入院するわけではなく、手術を受ける施設の体制や手術の内容によって判断が分かれます。

全身麻酔で手術を受ける場合

大がかりなインプラント手術では、全身麻酔が選ばれる場合もあります。全身麻酔は歯科麻酔科医が全身の状態を管理しながら行う方法で、手術後は、麻酔から回復したことを確かめる時間が必要です。

ただし、日本歯科医師会によると、治療内容によっては入院をしない日帰りの全身麻酔も行われています。全身麻酔を勧められた場合は、入院するのか日帰りなのか、手術を受ける場所はどこかを事前に確認しましょう。

骨造成を伴う大がかりな手術の場合

あごの骨が足りない場合は、インプラントを埋め込む前や同時に、骨を増やす処置(骨造成)を行います。骨造成の範囲が広い場合や、多くの本数を一度に埋め込む場合は手術が長くなり、全身麻酔や入院が検討されることがあります。どの処置が必要かは、CTなどの検査で骨の量を確かめてから決まります。

持病があり、全身の管理が必要な場合

高血圧症や心臓の病気、糖尿病、腎臓や肝臓の機能障害などがある場合は、インプラント治療に注意が必要です。日本歯科医学会の指針では、こうした病気の既往がある患者について、歯科医師が内科などの主治医に照会し、検査データも踏まえてリスクを判断するよう示されています。

病気の状態によっては、全身管理ができる病院の歯科口腔外科で手術を受けたり、入院して手術前後の状態を確認したりします。血液をさらさらにする薬(抗血栓薬)などを飲んでいる場合も、自己判断で中止せず、歯科医師と処方した医師に伝えてください。

参考:公益社団法人日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」

入院が必要かどうかを医院で確認したいこと

入院の要否は、全身の状態、骨の量、埋め込む本数、麻酔の方法、手術を受ける施設の体制を合わせて判断されます。一般の歯科医院で入院が必要と判断された場合は、入院設備のある大学病院や総合病院の歯科口腔外科を紹介されることがあります。

治療計画の説明を受けるときは、次の点を確認しておくと、仕事や家族の予定を立てやすくなります。

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確認したいこと確認する理由
麻酔の方法(局所麻酔・静脈内鎮静法・全身麻酔)麻酔の方法で、当日の帰宅や付き添いの要否が変わるため
入院の有無と日数仕事の休みや家族の予定を決めるため
手術を受ける場所通っている医院か、紹介先の病院かで通院先が変わるため
持病の主治医との連携服薬の調整や手術前の検査が必要になることがあるため
入院費・麻酔費が見積もりに含まれるか治療費とは別に費用がかかることがあるため

手術当日の帰宅と、仕事を休む日数の考え方

局所麻酔だけの手術は、手術後に歯科医院で様子を見たうえで、その日のうちに帰宅します。静脈内鎮静法を併用した場合は、休憩してから付き添いの人と帰宅するのが一般的な流れで、当日の車の運転など注意することは医院から説明があります。

仕事を休む日数は、手術の規模や仕事の内容によって変わり、腫れや痛みの出方にも個人差があるため、一律には決まりません。手術日を決める前に、翌日以降の予定について歯科医師に相談しておきましょう。手術後の腫れや痛みの経過、食事や入浴の注意は、次の記事で詳しく解説しています。

手術が日帰りでも、治療全体には数か月かかる

手術が日帰りで終わることと、治療全体が短いことは別です。インプラントを埋め込んだあと、骨と結合するまで数か月待ってから人工の歯を取り付けるため、治療全体では通院が何回か必要になります。骨造成を行う場合は、さらに期間が延びます。

入院した場合の費用と保険の扱い

一般的なインプラント治療は自由診療のため、手術費や人工の歯の費用に加え、入院費や麻酔の費用も自己負担になります。費用は医院や手術内容によって異なるため、見積もりにどこまで含まれるかを確認しましょう。

公的医療保険でインプラント治療を受けられるのは、広範囲な顎骨欠損などの特殊な症例に限られます。

参考:厚生労働省「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部改正に伴う特定保険医療材料料(使用歯科材料料)の算定について」(令和8年3月5日)

インプラントの入院に関するよくある質問

全身麻酔でインプラント手術を受ける場合は、入院が必要ですか?

入院するとは限りません。日帰りで全身麻酔を行う施設もあり、入院するかどうかは手術の内容と施設の体制によって決まります。

骨が少ないと言われましたが、入院が必要になりますか?

骨を増やす処置が必要でも、必ず入院するとは限りません。処置の範囲が広い場合は入院が検討されることがあるため、CTの検査結果をもとに歯科医師に確認しましょう。

インプラント手術の入院に生命保険は使えますか?

民間の医療保険や生命保険で給付を受けられるかは、保険の種類や契約内容によって異なります。手術の内容や入院の有無を歯科医院で確認したうえで、保険会社に問い合わせてください。

まとめ

インプラント手術は局所麻酔による日帰りが基本で、入院が検討されるのは、全身麻酔や大がかりな骨造成を伴う手術、持病があって全身の管理が必要な場合などに限られます。全身麻酔でも日帰りで行う施設があるため、入院の要否は手術内容と施設で変わります。

治療計画の説明を受けるときは、「医院で確認したいこと」の表を参考に入院の有無と手術を受ける場所まで確かめ、持病がある場合は主治医にも相談しておきましょう。

医療広告について

自由診療に関する詳細内容

インプラント治療は、原則として公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用は全額自己負担です。

  • 治療内容:あごの骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、骨と結合したあとに人工の歯を取り付ける。骨が足りない場合は骨造成などを行う
  • 費用(税込)の目安:本数、骨造成の有無、麻酔の方法、入院の有無、人工の歯の素材、医院の料金体系によって異なるため、検査後の見積もりで総額を確認する
  • 治療期間の目安:インプラントを埋め込んだあと、骨と結合するまで下の顎で2〜3か月程度、上の顎で4〜6か月程度おいてから人工の歯を作る(日本口腔インプラント学会「よくあるご質問」)。骨造成を行う場合はさらに長くなる
  • 主なリスク・副作用:手術後の痛み・腫れ・出血・内出血、感染、神経の損傷によるしびれ・麻痺、上顎洞炎、骨との結合不全、インプラント周囲炎。静脈内鎮静法・全身麻酔では麻酔に伴う全身への影響
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  • 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
  • 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。
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著者情報

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