虫歯の治療費はいくら?保険診療の費用を進行度別に解説

歯の模型と診療明細書、電卓のイラストに、虫歯の治療費はいくらか、保険診療の費用を進行度別に解説することを案内する文字を添えた画像

虫歯の治療費は、虫歯の深さによって大きく変わります。保険診療・3割負担の場合、浅い虫歯を樹脂で詰める処置だけなら数百円ですが、神経まで進むと根の治療や被せ物が加わり、通院の回数も総額も増えます。

保険診療で受ける虫歯治療の費用は、国が定めた処置ごとの点数に1点10円を掛け、年齢などで決まる負担割合(多くの人は3割)を掛けて計算します。同じ処置なら、どの保険医療機関でも点数の基準は共通です。

窓口で払う額が人によって違うのは、受けた処置の組み合わせ、歯の本数、材料、医療機関ごとの加算が異なるためです。自由診療の詰め物・被せ物を選んだ場合は医療機関が料金を決めるため、治療前の見積もりで確認します。

この記事では、2026年6月に改定された診療報酬点数表をもとに、初診・再診と主な処置の点数、3割負担で計算した額、保険と自由診療の違い、何本もあるときの考え方、医療費控除の仕組みを整理します。

この記事でわかること

  • 虫歯の治療費の決まり方と、初診・再診でかかる費用
  • 進行度ごとの主な処置の点数と3割負担の額
  • 保険診療と自由診療の違い、何本もあるときや払えないときの考え方
  • 虫歯治療で医療費控除を受けるときの計算と手続き
目次

虫歯の治療費の決まり方と初診・再診の自己負担

保険診療の費用は、診療報酬点数表に載っている処置ごとの点数を足し合わせ、1点10円で計算した総額に負担割合を掛けて決まります。

計算式は「点数の合計×10円×負担割合」です。例えば100点の処置を3割負担で受けると、100点×10円×0.3=300円になります。

負担割合は年齢と所得によって異なり(記事後半で説明します)、同じ処置でも、1割負担なら窓口で払う額は3割負担の3分の1で済みます。自由診療を選んだ部分はこの計算に入らず、医療機関が決めた料金を全額払います。

窓口で受け取る領収書には、初・再診料や処置などの区分ごとに点数が書かれています。記事中の表と見比べれば、その日に受けた処置と費用を照らし合わせられます。

参考:厚生労働省「診療報酬制度について」

初診料と再診料の点数

2026年6月からの点数では、歯科初診料は272点、歯科再診料は59点です。あわせて、物価の上昇に対応する「歯科外来物価対応料」が新しく設けられ、初診時に3点、再診時に1点がかかります。

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項目点数3割負担の場合
歯科初診料272点816円
歯科再診料59点177円
歯科外来物価対応料(初診時)3点9円
歯科外来物価対応料(再診時)1点3円

初診の日は、この初診料に加えて、エックス線撮影や歯周病の検査、その日に行った処置の点数が足されます。どの検査をするかは口の中の状態で決まるため、初診の日の窓口負担は人によって違います。

参考:厚生労働省 歯科診療報酬点数表(令和8年度改定)

保険診療でも窓口の額が医療機関で変わる理由

点数の基準は全国共通ですが、医療機関が国に届け出ている施設基準によって、同じ処置でも加算のつき方が変わります。例えば初診料は、院内感染防止対策の基準を届け出ていない医療機関では245点で計算されます。

このほか、撮影するエックス線の枚数や種類、使う材料、処置を何回に分けるかでも総額が変わります。「保険なら全国どこでも同じ金額」とは限らないため、気になるときは受付で明細書をもらうと、何に点数がついたかを確認できます。

進行度別・処置別の点数と3割負担額

虫歯が深くなるほど必要な処置が増え、治療費も通院回数も増えます。下の表の金額は治療の総額ではなく、主な処置1項目ずつの自己負担額です。厚生労働省の歯科診療報酬点数表(令和8年度改定)に載っている点数を、3割負担で計算しています。

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進行の目安主な処置点数3割負担の場合
浅い虫歯(C1〜C2)充填(接着性の処理あり・単純なもの)106点318円
浅い虫歯(C1〜C2)充填(接着性の処理あり・複雑なもの)158点474円
中くらいの虫歯(C2)レジンインレー(単純なもの/複雑なもの)148点/200点444円/600円
中くらいの虫歯(C2)金属のインレー(単純なもの/複雑なもの)192点/287点576円/861円
神経まで進んだ虫歯(C3)抜髄(根管1本/2本/3本以上)234点/426点/600点702円/1,278円/1,800円
神経まで進んだ虫歯(C3)根管充填(根管1本/2本/3本以上)72点/94点/122点216円/282円/366円
被せ物が必要な場合全部金属冠(小臼歯・大臼歯)459点1,377円
被せ物が必要な場合CAD/CAM冠(条件を満たす場合)1,200点3,600円
残せない歯(C4)抜歯(前歯/臼歯)160点/270点480円/810円

表の点数は、その処置の1項目だけのものです。1本の治療には、歯を削って形を整える処置、型取り、麻酔、材料の費用、医療機関ごとの加算も足されるため、総額は表の額より多くなります。

虫歯1本の治療費はどのくらい?

1本を治し終えるまでの支払いは、表のどの処置がいくつ組み合わさるかで決まります。1本ずつの総額を公的な資料で示したものはないため、ここでは進行度ごとに、1本の治療に加わる主な処置を整理します。

  • 浅い虫歯:充填だけで終わることが多く、初診料や検査と合わせても支払いは少なめです
  • 中くらいの虫歯:型を取る詰め物(インレー)になると、型取りの日と装着の日で通院が2回に分かれます
  • 神経まで進んだ虫歯:抜髄、根の消毒、根管充填、土台、被せ物と処置が続き、通院の回数も支払いの回数も増えます
  • 残せない歯:抜歯のあとに、ブリッジや入れ歯などで歯を補う費用が別にかかります

自分の歯にどの処置が入るかは、診察のあとの説明で聞くと分かります。

浅い虫歯(C1〜C2)の治療

エナメル質や象牙質の浅いところにとどまる虫歯は、悪いところを削って白い樹脂(コンポジットレジン)を詰める「充填」で治すことが多く、その日のうちに終わることもあります。

削る範囲が広いと、型を取って詰め物(インレー)を作ります。型取りと装着で通院が1回増えるため、窓口で払う回数も増えます。

表の充填が「単純なもの」と「複雑なもの」に分かれているのは、削った部分の広さや形の違いによるもので、どちらになるかは処置の内容によります。型を取る詰め物も、保険の範囲でレジンインレーと金属のインレーでは点数が違います。

樹脂を詰めてその日に終わるのか、型を取って次回に装着するのかで、通院と支払いの回数が変わります。削る前の説明の段階で「今日で終わるか」「次は何をするか」を聞いておけば、予定と費用の見通しが立ちます。

神経まで進んだ虫歯(C3)の治療

虫歯が歯の神経(歯髄)まで届くと、神経を取り除く「抜髄」と、根の中をきれいにして薬で密閉する「根管充填」を行います。奥歯は根管の数が多いぶん点数が高く、根の中を消毒するために何回か通います。

根の治療が終わったあとは、土台を立てて被せ物を着けるため、被せ物の点数と材料の費用も加わります。

表の抜髄と根管充填は、根管の数(1本/2本/3本以上)で点数が分かれています。根管の数は歯によって異なるため、どの点数になるかは、エックス線写真などで歯の状態を見て判断されます。

以前に神経を取った歯の根の中が再び感染した場合は、抜髄ではなく「感染根管処置」として扱われ、厚生労働省の点数表では根管1本で160点、3本以上で450点です。根の治療は症状によって消毒の回数が変わるので、途中の受診で「あと何回くらい通うか」を聞いておきましょう。

歯を残せない場合(C4)

歯の頭の部分がほとんど崩れ、残せないと判断されると抜歯になります。抜いたあとは、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで歯を補う治療を検討し、その費用が別にかかります。

抜歯の点数は、表のとおり前歯と奥歯(臼歯)で分かれます。歯を補う方法は、保険でできるブリッジや入れ歯と、自由診療のインプラントなどで、費用も通院の回数も大きく異なります。ブリッジは両隣の歯を削って支えにするため、残っている歯の状態によっては選べないこともあります。抜歯の前に「抜いたあとどう補うか」まで説明を受けておくと、全体の費用を見積もりやすくなります。

インプラントは自由診療のため、費用は全額自己負担です。費用の内訳は次の記事で整理しています。

保険診療と自由診療の違い

保険診療は、国の点数表で決まった処置と材料で治療し、費用の一部を窓口で払う仕組みです。自由診療は、保険の対象にならない材料や方法を選ぶ治療で、全額を自分で払い、料金は医療機関ごとに決まります。

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比べる点保険診療自由診療
費用の決まり方点数表で全国共通の基準医療機関ごとに設定
窓口の負担年齢と所得で決まる割合全額
主な詰め物・被せ物コンポジットレジン、金属、条件つきでCAD/CAM冠などセラミック、ジルコニアなど
確認のしかた明細書で点数を確認治療前に見積もりを受け取る

自由診療のセラミックなどは、歯の色に合わせやすい一方で、費用は医療機関によって大きく異なります。選ぶ前に、総額、通院の回数、保証の有無と条件を見積もりで確かめましょう。自由診療の治療内容と主なリスクは、記事末尾の「医療広告について」にまとめています。

何本もある・ひどい虫歯のときの費用の考え方

虫歯が何本もあるときも、初診料や最初の検査は1回分で済み、処置の点数だけが歯ごとに足されます。本数が増えれば総額は増えますが、初診料や検査の分まで本数に比例して増えるわけではありません。

ひどい虫歯が多いときは、痛みのある歯や進んだ歯を先にするなど、治療の順番を歯科医師と相談して決めます。1回あたりの支払いが心配なときは、最初の診察で「全部で何回くらい通うか」「自由診療を勧められたときは保険でできる方法もあるか」を聞いておくと、支払いの見通しを立てやすくなります。

治療費を増やさないためにできること

表のとおり、浅い虫歯のうちに治せば処置は少なくて済み、神経まで進むと抜髄や根管充填、被せ物が加わります。しみる・食べ物が詰まるといった変化に気づいたら、早めに受診することが治療費を抑えることにもつながります。

例えば同じ奥歯の虫歯でも、樹脂を詰める充填で済めば処置の点数は106点か158点ですが、神経の治療まで進むと、根管3本以上なら抜髄600点と根管充填122点に、被せ物の点数と材料の費用が加わります。

治療が終わったあとも、定期的に歯科健診を受けておくと、新しい虫歯や詰め物のすき間を小さいうちに見つけられます。健診の間隔は人によって違うため、治療の最後に次の受診時期を聞いておくと、受け忘れを防げます。

治療費を払えるか不安なとき

治療費の支払いが心配なときは、受診の前に電話で相談したり、診察のときに1回あたりの費用を抑えた進め方ができるか聞いたりできます。自由診療では、分割払いやデンタルローンを用意している医療機関もあり、医療費控除での扱いは次の章で説明します。

窓口で払う額は受診した日ごとに計算されるため、治療を何回かに分けて進めると、1回あたりの支払いを抑えられます。ただし総額が減るわけではなく、間を空けすぎると虫歯が進むこともあるので、分け方は歯科医師と相談して決めます。

分割払いやデンタルローンを使う場合は、金利・手数料を含めた支払いの総額と、途中で治療をやめたときや転院したときの精算の方法を、契約の前に確かめておきましょう。

虫歯治療は医療費控除の対象になる

1年間に払った医療費が一定額を超えると、確定申告で医療費控除を受けられます。保険診療の虫歯治療はもちろん、一般的に使われる材料による治療も対象です。国税庁は、金やポーセレン(セラミック)を使った治療の費用も医療費控除の対象になると示しています。

一方で、一般的に支出される水準を著しく超える特殊な治療は対象外です。歯列矯正のように、見た目を整えることが目的の治療も対象になりません。

参考:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」

控除額の計算方法

医療費控除の額は上限200万円で、次のように計算します。

1年間に払った医療費から、保険金などで補てんされた額と10万円を差し引いた額が控除の対象です。総所得金額等が200万円未満の人は、10万円のかわりに総所得金額等の5%を差し引きます。

対象になるのは、1月1日から12月31日までに実際に払った医療費です。自分の分だけでなく、生計を一にする配偶者や家族の分も合計できます。治療が年をまたぐときは、それぞれの年に払った額がその年の対象になります。

通院費・デンタルローンの扱い

治療のために電車やバスで通った交通費は、医療費控除の対象になります。小さい子どもの通院に付き添いが必要な場合は、付き添う人の交通費も含められます。一方、自家用車で通うときのガソリン代や駐車場代は対象外です。タクシー代も、公共交通機関が使えない場合を除いて対象になりません。

デンタルローンで払った場合は、信販会社が立て替えて払った年の医療費として扱われます。領収書が手元にないときは、ローンの契約書や信販会社の領収書を保管しておきます。金利や手数料の部分は対象外です。

インプラント治療で医療費控除を受ける場合の計算例は、次の記事で紹介しています。

申告の手順と保管しておくもの

医療費控除は、確定申告書に「医療費控除の明細書」を添えて税務署に提出します。健康保険から届く医療費通知があれば、それを添えて明細書の記入を簡単にできます。

領収書は提出しなくてよい一方で、税務署から確認を求められることがあるため、確定申告の期限から5年間は保管しておきます。通院した日と交通費は、診察券やメモで記録しておくと明細書を作るときに困りません。

窓口の負担割合と保険証がないときの支払い

窓口で払う割合は年齢と所得で決まります。70歳未満の人は3割、小学校入学前の子どもは2割です。70〜74歳は2割(現役並みの所得がある人は3割)、75歳以上は1割で、一定以上の所得がある人は2割、現役並みの所得がある人は3割になります。

子どもの医療費は、住んでいる市区町村の助成で窓口負担がさらに少なくなることもあります。対象の年齢や自己負担の有無は自治体ごとに異なるため、市区町村の案内で確認してください。

参考:厚生労働省「医療費の一部負担(自己負担)割合について」

マイナ保険証などを忘れて全額払ったとき

受診の日に手元になく、いったん全額(10割)を払った場合でも、紛失などやむを得ない理由があれば、加入している健康保険に申請して払い戻しを受けられます。払い戻されるのは、実際に払った額そのものではなく、診療報酬点数表で計算し直した額から自己負担分を差し引いた額です。保険診療として認められていない処置の費用は、払い戻しの対象になりません。

申請には診療にかかった費用の領収書を添えるため、受け取った領収書は捨てずに保管しておきます。申請の方法や書式は、加入している健康保険の案内で確認してください。

参考:全国健康保険協会「立替えで医療費を全額負担したとき(療養費)」

虫歯の治療費に関するよくある質問

虫歯の治療費を事前に知る方法はありますか?

保険診療でも、検査をしてみないと必要な処置が決まらないため、初診の前に正確な額を出すのは難しいのが実情です。診察のあとで「今後の治療で何回通い、どの処置をする予定か」を聞くと、おおよその見通しがつきます。自由診療は、治療前に見積もりを受け取ってください。

初めて歯医者に行くとき、お金はいくら持っていけばよいですか?

決まった額はないため、予約の電話で「初診で検査と応急処置をした場合、窓口でどのくらいになるか」を聞いておくと、当日の準備がしやすくなります。自由診療の相談も考えているときは、カードや分割が使えるかもあわせて確認しておきましょう。

保険の銀歯とCAD/CAM冠の違いは何ですか?

どちらも保険診療で使える被せ物です。CAD/CAM冠は歯の色に近い白い材料で作りますが、使える歯や条件が決まっています。自分の歯が対象になるかは、診察のときに歯科医師に確認してください。

まとめ

保険診療の虫歯治療費は、処置ごとの点数に10円と負担割合を掛けて決まります。2026年6月からの点数では、初診料が272点、再診料が59点です。浅い虫歯の充填なら処置の点数は3割負担で数百円ですが、神経の治療や被せ物、抜歯まで進むと処置が増え、通院回数と総額も大きくなります。

同じ保険診療でも、医療機関の加算や検査の内容で窓口の額は変わります。自由診療を選ぶときは、総額・通院回数・保証の条件を見積もりで確かめましょう。1年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えた年は、医療費控除の対象です。

※本記事は2026年9月時点の診療報酬点数表と国税庁・厚生労働省の公表情報をもとにした一般的な情報です。実際の治療費は、処置の内容、医療機関の施設基準、負担割合によって異なり、治療の回数や治療後の状態にも個人差があります。個別の治療は担当の歯科医師へ、税務上の判断は税務署や税理士へ確認してください。

宮崎市で虫歯の治療先を探している方は、宮崎市の虫歯治療におすすめの歯科医院5選で、各医院の診療時間や詰め物・被せ物の選択肢を比べられます。

医療広告について

自由診療に関する詳細内容

  • 治療内容:虫歯を取り除いたあと、セラミックやジルコニアなど保険の対象にならない材料で詰め物・被せ物を作り、装着する治療です。公的医療保険が適用されない自由診療です。
  • 費用(税込)の目安:材料、歯の部位、医療機関によって異なります。治療前に見積もりで総額を確認してください。
  • 治療期間の目安:虫歯の除去、形を整える処置、型取り(口腔内スキャン)、装着のため、複数回の通院が必要です。回数は歯の状態と医療機関の方法によって異なります。
  • 主なリスク・副作用:材料によっては割れたり欠けたりすることがあります。材料の厚みを確保するために歯を削る量が増える場合があるほか、治療後にしみる、噛み合わせの調整が必要になる、再治療が必要になるといった可能性があります。
医療広告について
  • 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
  • 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。
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著者情報

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