口内炎があるときは、粘膜の健康維持に関わるビタミンB群(特にB2・B6)とたんぱく質を、刺激の少ないやわらかい形でとるのが基本です。辛いもの・酸っぱいもの・熱いもの・硬いものは患部にしみやすいため、治るまでは控えましょう。
とはいえ、食べ物だけで口内炎が治るわけではありません。この記事では、口内炎のときにおすすめの食べ物と避けたい食べ物、痛いときでもしみにくい調理や食べ方、コンビニ・外食での選び方、受診を考える目安をまとめました。
この記事でわかること
- 口内炎のときにおすすめの栄養素と、それを多く含む食べ物
- 口内炎のときに避けたい食べ物と、その理由
- 痛いときにしみにくい調理・食べ方と、コンビニ・外食での選び方
- ブルーベリー・バナナ・トマト・ヨーグルトなど、個別の食べ物の注意点
- 口内炎が治らないときに受診を考える目安
口内炎のときにおすすめの食べ物|ビタミンB群とたんぱく質を意識する
口内炎のときに意識したい栄養素は、ビタミンB2・B6とたんぱく質です。ビタミンB2は不足すると口内炎や口角炎、舌炎が起こることが知られており、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」でも欠乏症として挙げられています。
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わる栄養素で、不足すると舌炎や口角症が起こるとされています。どちらも体内にためておきにくいため、毎日の食事から少しずつとるのが現実的です。
ビタミンB2・B6を多く含む食べ物
ビタミンB2はレバーやうなぎ、納豆、卵に、ビタミンB6はまぐろやかつお、さけ、鶏むね肉に多く含まれます。主な食品の含有量は次のとおりです。
| 栄養素 | 主なはたらき | 多く含む食べ物(100g当たりの含有量) |
|---|---|---|
| ビタミンB2 | エネルギー代謝に関わる。不足すると口内炎・口角炎・舌炎が起こる | 豚レバー(生)3.60mg、うなぎのかば焼0.74mg、糸引き納豆0.56mg、まいわし(生)0.39mg、鶏卵(生)0.37mg、まさば(生)0.31mg |
| ビタミンB6 | たんぱく質の代謝に関わる。不足すると舌炎・口角症が起こる | くろまぐろ赤身(天然・生)0.85mg、かつお(春獲り・生)0.76mg、しろさけ(生)0.64mg、鶏むね肉(皮なし・生)0.64mg、まいわし(生)0.49mg、バナナ(生)0.38mg |
含有量は文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の値です。レバーや青魚は、口内炎が痛いときは煮る・ほぐすなどして、やわらかくしてから食べると負担を減らせます。
たんぱく質や野菜・果物もバランスよく
たんぱく質は、皮膚や粘膜を含む体をつくる材料です。豆腐や白身魚、卵、鶏肉は、やわらかく調理しやすく、口内炎があるときでも取り入れやすい食材といえます。
ビタミンB群だけに偏らず、野菜や果物、鉄や亜鉛を含む食品も組み合わせた食事が基本になります。お菓子や清涼飲料だけで食事を済ませると、ビタミンやたんぱく質が不足しやすくなります。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」各論 ビタミン(水溶性ビタミン)
参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
口内炎と栄養の関係|何が不足するとできやすい?
ビタミンB2の不足は口内炎の原因の一つですが、口内炎の原因は栄養だけではありません。
日本口腔外科学会は、アフタ性口内炎は機械的な刺激、遺伝的な要因、極端な疲労、ストレス、片寄った栄養摂取など、いろいろな要素が絡み合って起こるとしています。食事を整えることに加えて、頬や舌をかまない・装置や歯の角が当たらないようにする、睡眠や休養をとるといった生活面の見直しも欠かせません。

口内炎のときに避けたい食べ物と理由
口内炎があるときに控えたいのは、患部を刺激する食べ物です。日本口腔外科学会は、アフタ性口内炎(丸く浅い潰瘍ができる口内炎)について、刺激性の食べ物や熱いもの、塩辛いものがしみると説明しています。
| 種類 | 例 | 避けたい理由 |
|---|---|---|
| 辛いもの | キムチ、カレー、唐辛子を使った料理、わさび・からし | 辛み成分が患部を刺激し、痛みが強くなりやすい |
| 酸味の強いもの | レモン、グレープフルーツ、酢の物、炭酸飲料 | 酸味が患部にしみやすい |
| 熱いもの | 熱いスープ、鍋料理、ラーメン、熱い飲み物 | 熱さが刺激になり、しみたり痛んだりしやすい |
| 塩辛いもの・味の濃いもの | 漬物、塩辛、スナック菓子、濃い味付けの料理 | 塩分が患部にしみやすい |
| 硬いもの・とがったもの | せんべい、ナッツ、トースト、揚げ物の衣 | 患部に当たって傷を広げることがある |
| アルコール | ビール、酎ハイ、日本酒など | 患部にしみることがあるため、治るまでは控えたい |
梅干しや塩を患部に直接つけると早く治る、という話を見かけることがありますが、強い刺激で痛みが増すおそれがあります。刺激の強いものを患部に直接当てるのはおすすめできません。
口内炎が痛いときの食べ方|しみにくくする調理と工夫
口内炎が痛いときは、何を食べるかと同じくらい、どう調理してどう食べるかで負担が変わります。やわらかく、水分が多く、人肌程度の温度で、味付けを薄めにするのが基本です。

しみにくくする調理の工夫
- 炒め物や焼き物より、煮物・蒸し物・汁物にする
- 水溶き片栗粉でとろみをつけ、食べ物が口の中でばらけないようにする
- 熱いものは人肌程度に冷ましてから食べる(冷たすぎるものがしみる場合は常温にする)
- 塩・しょうゆ・香辛料は控えめにし、だしのうま味で味を補う
- 具材は小さく切り、やわらかくなるまで煮る
食べやすいメニューの例
| 区分 | 食べやすいメニューの例 |
|---|---|
| 主食 | おかゆ、雑炊、やわらかく煮たうどん、牛乳に浸したパン |
| おかず | 茶碗蒸し、豆腐(冷ややっこ・湯豆腐)、白身魚の煮付け、鶏ひき肉のそぼろあんかけ、卵とじ |
| 汁物 | ぬるめのポタージュ、具をやわらかく煮た味の薄いみそ汁やスープ |
| 間食・デザート | ヨーグルト、プリン、ゼリー、バナナ |
コンビニ・外食で選ぶなら
自炊が難しいときは、コンビニや外食でもしみにくいものを選べます。温かい商品は、少し冷ましてから食べるとしみにくくなります。
| 場面 | 選びやすいもの | 控えたいもの |
|---|---|---|
| コンビニ | 茶碗蒸し、豆腐、おかゆ、ヨーグルト、プリン、ゼリー飲料、バナナ、牛乳・豆乳 | 辛い総菜、揚げ物、スナック菓子、柑橘系のジュース、炭酸飲料 |
| 外食 | うどん(ぬるめ・薄味)、雑炊、茶碗蒸し、豆腐料理、煮魚の定食 | ラーメン、カレー、激辛料理、揚げ物、鍋料理(熱いまま食べる場合) |
食べるときの工夫
- 食事の前に、水やぬるめのお茶で口の中を湿らせておく
- 飲み物はストローを使い、患部に当たらないようにする
- 口内炎がない側でかむ
- 一口を小さくし、ゆっくり食べる
矯正装置が当たってできる口内炎は、食事の工夫に加えて装置の調整が必要な場合があります。詳しくは「歯列矯正で口内炎ができる原因と対処法・予防のコツ、受診の目安をやさしく解説」で詳しく解説しています。がんの治療中などで口内炎が続いている場合は、主治医や病院の栄養指導の内容を優先してください。
ブルーベリー・バナナ・トマトは口内炎のときに食べてもいい?
果物や乳製品には口内炎のときにも食べやすいものが多い一方で、酸味の強いものはしみることがあります。代表的な食べ物の特徴と注意点は次のとおりです。
| 食べ物 | 特徴 | 口内炎のときの注意点 |
|---|---|---|
| ブルーベリー | 青紫色の色素(アントシアニン)を含む果物 | 口内炎に効くことを示す公的な根拠は確認できていない。酸味でしみる場合は控える |
| バナナ | やわらかく、ビタミンB6を含む(100g当たり0.38mg) | かまずに食べやすく、痛いときの間食に向く |
| トマト・キウイ・みかん | ビタミンCを含む | 酸味で患部にしみることがある。痛みが強い間は加熱したトマト料理にするか、量を控える |
| ヨーグルト | なめらかで、たんぱく質やビタミンB2を含む | 冷たさがしみる場合は常温に戻す。酸味の強いものは避ける |
| 飲み物 | 水、常温のお茶、牛乳・豆乳 | 炭酸飲料、柑橘系のジュース、アルコール、熱い飲み物は控える |
果物を食べて口の中がかゆくなる・腫れる・ピリピリするといった症状が出る場合は、果物によるアレルギー(口腔アレルギー症候群)の可能性もあります。その果物を食べるのはやめて、医療機関に相談してください。
口内炎が治らないときは受診を|食事以外の対処
日本口腔外科学会によると、アフタは何もしなくても1〜2週間で治ります。2週間以上治らない口内炎は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が専門医の受診を勧めています。
次のような場合は、食事の工夫だけで様子を見ずに、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科に相談しましょう。
- 2週間以上たっても治らない
- 何度も繰り返す、一度にたくさんできる
- 痛みが強く、食事や水分がとれない
- しこりがある、出血しやすい、発熱を伴う
どの診療科を選べばよいかは「口内炎ができたら何科を受診すればいい?歯医者が教える原因と対処法」で解説しています。食事がとれない状態が続くときは、市販薬やサプリメントを自己判断で選ぶ前に、医師・歯科医師・薬剤師に相談してください。
口の中を清潔に保つことも、食事とあわせて行いたい対処です。やわらかい歯ブラシで患部を避けて磨き、痛みで磨きにくいときは、こまめなうがいで口の中をすすぐ方法もあります。
参考:一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「舌がん・口腔がんとは?」
よくある質問
まとめ
口内炎のときは、ビタミンB2・B6とたんぱく質を意識しながら、やわらかく、薄味で、人肌程度の温度の食事を選ぶのが基本です。辛いもの・酸味の強いもの・熱いもの・硬いものは、治るまで控えるのが無難です。
食事は口内炎を治すものではなく、痛みを悪化させずに栄養をとるための工夫です。2週間以上治らない、何度も繰り返すといった場合は、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科で相談しましょう。
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- 本記事の医療情報は一般的な情報提供を目的としており、医師による診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合は、医療機関へのご相談をおすすめします。
- 医療・健康に関する情報は変更される場合があります。実際の受診・治療については医療機関へご確認ください。


