矯正を安くする方法は?費用を抑える選択肢と医療費控除・保険適用の目安を解説

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歯列矯正の費用負担を考えるときは、治療費の総額、利用できる制度、支払い方法を分けて確認することが重要です。

まず、精密検査、装置、通院時の調整、治療後の保定まで含めた総額を確認します。そのうえで、医療費控除や公的医療保険の対象になる可能性があるかを調べ、必要に応じて分割払いなどの支払い方法を検討します。

デンタルローンや分割払いは、一度に支払う金額を複数回に分ける方法です。治療費そのものを安くするものではなく、金利や手数料によって支払い総額が増える場合があります。

また、部分矯正やマウスピース型矯正が、すべての人にとって費用を抑えられる方法とは限りません。治療できる範囲、噛み合わせへの影響、追加治療の可能性まで確認したうえで治療方法を決める必要があります。

本記事では、歯列矯正の総額を確認する方法、医療費控除や保険適用の条件、分割払いとモニター契約の注意点を解説します。

この記事でわかること
  • 治療範囲と料金内訳を確認する方法
  • 検査・調整・保定を含む総額の見方
  • 医療費控除と保険適用の条件
  • デンタルローン・分割払いの確認事項
  • 症例モニターやキャンペーンの注意点

歯列矯正の費用負担を考える3つの方法

歯列矯正の費用負担を検討するときは、次の3つに分けて考えます。

確認すること 主な内容
治療費の総額 必要な治療範囲と、検査・調整・保定を含む料金を確認する
利用できる制度 医療費控除や公的医療保険の対象条件を確認する
支払い方法 一括払い、院内分割、デンタルローンなどの契約条件を比較する

最初に確認したいのは治療費の総額です。基本料金が低く見えても、精密検査、通院ごとの調整、保定装置、装置の再作製などが別料金であれば、実際の支払い額は増えます。

医療費控除や保険適用は、条件を満たす場合に限られます。分割払いは支払時期を分ける方法であり、金利や手数料が発生すると支払い総額が増えることがあります。

治療範囲と料金内訳を確認する

歯列矯正の治療費は、装置名だけで決まるものではありません。歯を動かす範囲、噛み合わせの調整、治療期間、使用する装置、料金体系などによって異なります。

例えば、動かす範囲が限られる治療と、噛み合わせ全体を調整する治療では、治療内容が異なります。ただし、前歯だけが気になる場合でも、噛み合わせの状態によっては部分矯正が適さないことがあります。

歯列矯正の治療方法と費用の確認点
治療方法 費用を確認する際の項目
部分矯正 治療できる範囲、噛み合わせへの影響、全体矯正へ変更する可能性
表側ワイヤー矯正 装置料、通院時の調整料、抜歯や追加装置の費用
裏側(舌側)矯正 装置料、調整料、装置変更や修理時の費用
マウスピース型矯正 作製枚数、追加マウスピース、再作製、紛失・破損時の費用

部分矯正は治療できる範囲を確認する

部分矯正は、歯を動かす範囲を限定して行う治療です。全体的な矯正治療とは治療内容や料金が異なる場合があります。

ただし、部分矯正で対応できるかは、見た目が気になる部分だけでは判断できません。噛み合わせ全体への影響や、治療後の歯列の安定性も確認する必要があります。

部分矯正では改善を目指せる範囲と、改善が難しい範囲を契約前に確認してください。治療途中で全体矯正への変更が必要になった場合の費用も確認しましょう。

マウスピース型矯正は適応と追加費用を確認する

マウスピース型矯正は取り外し式の装置を使用する治療方法です。症例への適応や必要な装着時間は、歯並びや治療計画によって異なります。

費用を確認するときは、最初に作製する装置の枚数だけでなく、治療途中に追加のマウスピースが必要になった場合の費用、紛失・破損時の再作製費、装着状況によって計画を変更する場合の費用を確認してください。

参考:日本矯正歯科学会「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」

見積書で確認したい総額と追加費用

歯列矯正の料金を比較するときは、最初に提示された基本料金だけでなく、治療開始から保定までに必要となる総額を確認します。

矯正費用の見積書で確認したい項目
費用項目 主な内容 確認したいこと
相談料 治療方法や料金についての初回相談 無料か有料か、相談後に検査費が必要か
精密検査・診断料 レントゲン、口腔内写真、歯型など 基本料金に含まれるか、再検査時に費用がかかるか
矯正装置料 ワイヤーやマウスピース型装置など 追加装置や装置変更時の費用
調整料・処置料 通院時の装置調整や経過確認 都度払いか、治療費総額に含まれるか
保定装置料 治療後の歯列を安定させ、後戻りを抑えるための装置 装置料、保定中の診察料、再作製費
抜歯・虫歯などの処置費 矯正治療の前後に必要となる処置 矯正治療費と別に支払う必要があるか
装置の再作製費 紛失、破損、適合不良などによる再作製 無料となる範囲と、追加料金が発生する条件
治療延長・計画変更時の費用 当初の期間を超えた調整や追加治療 追加の調整料、装置料、診断料がかかるか

総額制であっても、すべての処置が料金に含まれているとは限りません。装置の紛失・破損、治療延長、追加マウスピース、保定装置の再作製などが対象外になっていないか確認してください。

また、治療を途中で中断する場合や転院する場合の返金条件、未払い残額、装置撤去費、保定の費用も契約前に確認しておきましょう。

装置名だけで費用を判断しない

同じ名称の治療でも、歯を動かす範囲、治療期間、通院回数、装置の作製数、料金に含まれる項目によって総額は異なります。

「部分矯正だから安い」「マウスピース型矯正だから費用を抑えられる」と一律に判断することはできません。治療方法を比較するときは、次の項目を同じ条件で確認してください。

  • 治療によって改善を目指す範囲
  • 噛み合わせ全体への対応
  • 治療期間と通院回数
  • 料金に含まれる検査・調整・保定
  • 装置の追加・変更・再作製にかかる費用
  • 治療計画を変更する可能性
  • 中断・転院時の条件

症例への適応が十分に確認されていない場合、治療計画の変更や追加治療が必要になることがあります。費用だけでなく、治療できる範囲と限界について説明を受けてください。

医療費控除の対象になる条件を確認する

歯列矯正の費用は、治療目的などの条件によって医療費控除の対象になる場合があります。

国税庁は、年齢や矯正の目的などから、社会通念上必要と認められる歯列矯正の費用は医療費控除の対象になると案内しています。一方、容貌を美化することを目的とする歯列矯正の費用は対象になりません。

歯科医師から治療上の必要性について説明を受けた場合でも、税務上の適用が自動的に確定するわけではありません。治療目的は歯科医院へ確認し、医療費控除の対象になるか判断が難しい場合は、税務署または税理士へ確認してください。

参考:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」

医療費控除を検討するときの確認手順

  1. 歯科医院で治療目的と治療内容を確認する
  2. 治療費の領収書や医療費通知を保管する
  3. 通院に公共交通機関を利用した場合は、日付・区間・金額を記録する
  4. 国税庁の最新情報で対象条件と申告方法を確認する
  5. 判断が難しい場合は、税務署または税理士へ確認する

医療費控除は、支払った医療費がそのまま返金される制度ではありません。条件を満たす場合に、確定申告によって所得控除を受ける制度です。

控除額は、同じ年に支払った医療費、保険金などで補填された金額、所得などによって異なります。申告する年の国税庁の案内を確認してください。

参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

子どもの歯列矯正も治療目的を確認する

子どもの歯列矯正についても、年齢や治療目的などから社会通念上必要と認められる場合は、医療費控除の対象になることがあります。

対象になるかは、単に子どもの治療であることだけでは決まりません。歯科医院で治療目的を確認し、税務上の取り扱いは税務署または税理士へ確認してください。

歯列矯正が保険適用になる場合

一般的な歯列矯正は、公的医療保険が適用されない自由診療です。ただし、所定の条件を満たす矯正治療では、保険診療の対象になる場合があります。

日本矯正歯科学会では、保険診療の対象となり得る治療として、主に次のケースを案内しています。

  • 厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常
  • 前歯・小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因し、埋伏歯開窓術を必要とする咬合異常
  • 顎離断等の手術を必要とする顎変形症に対する、手術前後の矯正治療

保険診療の対象となる可能性がある場合でも、すべての歯科医院で保険診療を受けられるとは限りません。所定の施設基準を満たし、地方厚生局へ届け出た保険医療機関で治療を受ける必要があります。

自分の歯並びが保険適用の対象になるかは、歯科医師の診断と保険診療の適用基準に基づいて判断されます。受診前に、保険診療へ対応している医療機関か確認してください。

参考:日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」

デンタルローン・分割払いで支払時期を分ける

デンタルローンや分割払いは、一度に支払う金額を複数回に分ける方法です。治療費そのものを減らす制度ではありません。

金利や分割手数料が発生する契約では、一括払いより支払い総額が増える場合があります。月々の支払い額だけでなく、完済までの支払い総額を確認してください。

支払い方法 契約前に確認したいこと
一括払い 支払い期限、支払い方法、解約・返金条件
デンタルローン 実質年率、支払い総額、支払い回数、完済予定日、審査
院内分割 分割回数、手数料、完済時期、治療終了までの完済条件
クレジットカード分割 分割手数料、利用限度額、支払い総額

ローンや分割払いを利用するときは、次の項目も確認しましょう。

  • 初回と最終回の支払い額
  • ボーナス払いの有無
  • 繰り上げ返済の可否と手数料
  • 支払いが遅れた場合の取り扱い
  • 治療を中断した場合の残債
  • 転院・解約時の返金条件

矯正治療を途中で中断しても、ローンの支払いが自動的に終了するとは限りません。歯科医院との治療契約と、ローン会社との契約は分けて確認してください。

症例モニター・キャンペーンの契約前に確認したいこと

症例モニターやキャンペーンには、対象となる治療、写真・動画の使用、料金などの条件が設定されている場合があります。

割引価格だけで判断せず、次の項目を契約前に確認してください。

  • 対象となる治療方法と症例条件
  • 割引対象となる費用
  • 別途必要になる検査・調整・保定などの費用
  • 撮影する写真・動画の範囲
  • 顔や口元を識別できる状態で掲載するか
  • 掲載するウェブサイト、SNS、広告などの媒体
  • 掲載期間と写真・動画の二次利用
  • 同意を撤回できるか
  • 同意撤回時に料金が変更されるか
  • 治療を中断した場合の費用
  • 個人情報の保存・管理方法

モニターとして写真の使用に同意した場合でも、医療広告に症例写真を掲載する際の表示義務がなくなるわけではありません。治療内容、費用、期間・回数、主なリスク・副作用などを、写真とともに分かりやすく表示する必要があります。

厚生労働省の事例解説書では、モニターによる割引を強調する表示などが注意事例として示されています。医療機関の公式サイトでは、割引率や募集期限を過度に強調する表現を避ける必要があります。

参考:厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」

歯列矯正に関する注意事項

成人の一般的な歯列矯正は、原則として自由診療です。治療方法、費用、期間・回数は、歯並び、噛み合わせ、治療計画、使用する装置などによって異なります。

主なリスク・副作用には、次のようなものがあります。

  • 装置の装着・調整後の痛みや違和感
  • 虫歯や歯周組織への影響
  • 歯根吸収
  • 歯肉退縮
  • 装置による頬や舌などへの刺激
  • 装置の破損・変形
  • 治療期間の延長
  • 治療計画の変更
  • 治療後の歯列の変化や後戻り

参考:厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」

よくある質問

Q. 歯列矯正の費用を確認するとき、最初に見るべき項目は何ですか?

最初に、精密検査、装置、通院時の調整、保定まで含む総額を確認します。

基本料金だけでなく、装置の再作製、治療延長、追加治療、中断・転院時に費用が発生するかも確認してください。

Q. 歯列矯正は医療費控除の対象になりますか?

年齢や治療目的などから、社会通念上必要と認められる矯正治療の費用は、医療費控除の対象になる場合があります。容貌を美化することだけを目的とする費用は対象になりません。

治療目的は歯科医院へ確認し、税務上の適用については税務署または税理士へ確認してください。

Q. 分割払いにすると支払い総額は増えますか?

デンタルローンやクレジットカードの分割払いでは、金利や分割手数料によって、一括払いより支払い総額が増える場合があります。

月々の支払い額だけでなく、実質年率、手数料、支払い総額、完済予定日を確認してください。

Q. 保険が使える歯列矯正はありますか?

所定の疾患に起因する咬合異常、所定の永久歯萌出不全、手術を必要とする顎変形症などでは、保険診療の対象になる場合があります。

治療を受けられるのは、所定の施設基準を満たして地方厚生局へ届け出た保険医療機関です。適用の可否は歯科医師へ確認してください。

Q. 見積書では何を確認すればよいですか?

相談料、精密検査・診断料、装置料、調整料、保定装置料、保定中の診察料が含まれているかを確認します。

あわせて、装置の紛失・破損、追加マウスピース、治療延長、中断・転院時の費用と、ローンを利用する場合の支払い総額も確認してください。

まとめ

歯列矯正の費用負担を考えるときは、基本料金だけでなく、精密検査、通院時の調整、治療後の保定を含む総額を確認することが重要です。

医療費控除や保険適用は、所定の条件を満たす場合に限られます。治療目的や制度上の条件を確認し、税務上の判断は税務署または税理士へ確認してください。

デンタルローンや分割払いは、一度に支払う金額を分ける方法です。金利や手数料によって支払い総額が増える場合があるため、実質年率、支払い総額、完済予定日、中断時の残債まで確認しましょう。

ベストチョイス編集部
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