歯列矯正で抜く歯はどこ?第一小臼歯が選ばれやすい理由と本数・親知らずの扱いを解説
歯列矯正で抜く歯は、前から数えて4番目の「第一小臼歯」が選ばれることが多く、症例によって5番目の「第二小臼歯」が選ばれます。矯正目的の便宜抜歯では、前歯や奥歯(大臼歯)を抜くケースは多くありません。上下左右で対称に4本、小臼歯4本に親知らず4本を加えて合計8本の抜歯を検討するケースもあります。
なぜその位置を抜くのか、本数や親知らずの考え方、抜かない方法との違いまで中立に整理しました。抜歯の要否や部位は歯並びや骨格によって決まり、個人差があります。
- この記事でわかること
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- 矯正で抜く歯の位置(第一小臼歯・第二小臼歯)と前歯を抜くケースが少ない理由
- 抜歯本数の目安(4本・親知らずを含む合計8本のケース)と奇数抜歯
- 抜歯のメリット・デメリットと抜かない方法(IPR・拡大・奥歯の移動)
- 抜歯の判断基準・痛み・費用の目安と後悔しない選び方

歯列矯正で抜く歯はどこ?基本は第一小臼歯
歯列矯正で抜く歯は、前から4番目の第一小臼歯が選ばれることが多く、症例によって5番目の第二小臼歯が選ばれます。前歯(1〜3番)や噛み合わせの土台となる奥歯(大臼歯)を矯正目的で抜くケースは多くなく、抜歯が必要な場合は前歯と奥歯の中間に位置する小臼歯が候補になりやすいとされています。
第一小臼歯は歯列の中央付近にあり、抜いてできたスペースを前歯側にも奥歯側にも使いやすいため、歯を並べ替える計画を立てやすいことが理由のひとつです。ただし、どの歯を抜くかは精密検査をもとに決まります。

歯の位置は、前歯の中央から左右に1番(中切歯)・2番(側切歯)・3番(犬歯)・4番(第一小臼歯)・5番(第二小臼歯)・6番(第一大臼歯)・7番(第二大臼歯)・8番(親知らず)と数えます。このうち矯正の「便宜抜歯(治療計画上、歯を動かすスペースを作るために歯を抜くこと)」で選ばれやすいのは、4番の第一小臼歯です。
前歯は見た目と発音を担い、犬歯は噛み合わせの誘導という重要な役割があります。奥歯は咀嚼の中心になるため、いずれも温存を優先して検討されます。例えば、出っ歯や叢生(歯が重なってガタガタに並ぶ状態)で前歯を後ろに下げたいとき、中間にある4番を抜くと、そのスペースを使って前歯を内側へ動かしつつ、奥歯の位置も保ちやすくなります。
抜く位置の選択には、口元を下げたい量、奥歯の噛み合わせ、虫歯や歯周病の有無、過去の治療歴などが関わります。最終的な部位は、レントゲンや口腔内写真、歯型などの精密検査をもとに判断されます。抜く歯の選択には個人差があります。
第一小臼歯(4番)が選ばれやすい理由
第一小臼歯が選ばれやすいのは、歯列の中央付近にあり、前歯を後ろに下げる移動にも奥歯の調整にもスペースを使いやすいためです。前歯から数えて4番目の第一小臼歯は、見た目の中心となる前歯と、咀嚼を担う奥歯の中間にあります。
この位置を1本空けると、前方の混み合った歯を後ろへ動かす余地と、口元の突出を内側へ収める余地の両方が生まれます。仮に前歯側の3番を抜くと犬歯がなくなり、噛み合わせの誘導に影響する可能性があります。奥歯側の6番を抜くと咀嚼の中心を失いやすいため、機能面でも4番が候補になりやすいと考えられます。
例えば、口元の突出感(口ゴボ)が気になる方では、4番を抜いてできたスペースを使い、前歯を後退させる治療計画が検討されることがあります。ただし、虫歯や過去の治療で4番が大きく傷んでいる場合は、状態の悪い歯を優先的に抜くなど、部位は症例ごとに調整されます。適応や移動量には個人差があります。
第二小臼歯(5番)や前歯を抜くケースはある?
第二小臼歯(5番)は、口元を大きく下げたくない場合や、奥歯側のスペースを多く使いたい場合に選ばれることがあります。前歯を矯正目的で抜くケースは多くありません。
4番より後方の5番を抜くと、前歯を下げる量を抑えつつ、奥歯側のガタつきを整えやすくなる場合があります。そのため、口元の突出が軽度なケースや、すでに横顔のバランスが取れているケースで検討されることがあります。
一方、1〜3番の前歯は審美・発音・噛み合わせの要です。矯正目的の便宜抜歯で抜くことは多くありません。ただし、前歯が重度の虫歯・歯周病・破折で保存が難しい場合や、もともと歯が一部欠けている(先天性欠如)場合には、残せない歯を前提に治療計画を組むことがあります。
注意したいのは、抜く位置を1本後ろにずらすだけでも、前歯の最終的な位置や横顔の印象が変わる点です。「抜く本数を減らしたい」という希望だけで部位を決めると、口元の仕上がりに影響することがあります。部位選択の妥当性は検査と診断によって判断され、個人差があります。
- ベストチョイス編集部からのひとこと
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歯列矯正の抜歯について読者が誤解しやすいのが、「抜く歯=目立つ前歯」というイメージです。実際には、矯正目的の便宜抜歯では4番・5番の小臼歯が候補になりやすく、笑ったときに見えやすい前歯や犬歯は温存を優先して検討されます。
同じ「4本抜歯」でも、4番を抜くか5番を抜くかで前歯の下がり方や横顔の印象は変わります。カウンセリングでは「どの番号の歯を、なぜそこに決めたのか」を確認しておくと、仕上がりのイメージとずれにくくなります。
矯正で抜歯が必要になる理由と歯並びのタイプ
矯正で抜歯が必要になる主な理由は、歯を並べるスペースが足りないことです。顎の大きさに対して歯が大きい・多い場合や、前歯が前方へ突き出している場合は、抜歯でスペースを作る治療計画が検討されます。
十分なスペースがないまま無理に歯を並べると、口元が突出したり、歯が骨の外側へ傾いたり、後戻りしやすくなったりする可能性があります。叢生・出っ歯・口ゴボ・受け口といった歯並びは抜歯の検討対象になりやすい一方、軽度であれば抜かずに治療できることもあります。
スペース不足は、イスの数より座る人が多い「イス取りゲーム」に例えられます。並びきらない歯を無理に押し込むと、歯が骨から外側へはみ出したり、前歯が前方へ傾いて口元が膨らんだ仕上がりになったりすることがあります。
具体的には、八重歯や前歯のガタつき(叢生)、上の前歯が前に出た上顎前突(出っ歯)、上下の前歯がともに前傾した上下顎前突(口ゴボ)、下顎が前に出た下顎前突(受け口)などで抜歯が検討されます。例えば、鏡で横顔を見たときに上下の唇が鼻先とあご先を結んだライン(Eライン)より前に出ている場合は、前歯を下げる余地を作るために抜歯が候補になることがあります。
一方で、抜歯はあくまでスペース確保の手段の一つです。骨格や歯のサイズ、必要な移動量によっては、後述の非抜歯で対応できる場合もあります。抜歯が必要かどうかは精密検査の結果で判断され、同じような見た目でも結論が異なることがあります。
スペース不足(叢生・出っ歯・口ゴボ・受け口)
顎に対して歯が並ぶスペースが不足している叢生・出っ歯・口ゴボ・受け口では、抜歯でスペースを確保する治療が検討されることがあります。叢生は歯が重なって生える状態で、重なり部分に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病リスクに関係することがあります。
出っ歯(上顎前突)は上の前歯が前方に傾いた状態、口ゴボ(上下顎前突)は上下の前歯がともに突出して口元が盛り上がって見える状態です。これらは前歯を後方へ下げる必要がある場合があり、そのための後退量を確保する目的で小臼歯の抜歯が選ばれることがあります。
例えば、口を閉じると下唇に力が入る、横顔の口元の突出が気になるといったケースでは、前歯を内側へ動かす余地が必要になることがあります。ただし、突出の程度が軽い場合や、もともと顎に余裕がある場合は、抜かずに整えられることもあります。見た目の印象だけで抜歯の要否は決まりません。歯並びのタイプと骨格の組み合わせによって判断は変わり、個人差があります。
抜く本数は何本?4本・親知らずを含む8本のケース
矯正で抜く本数は、上下左右で対称に4本(各顎の左右1本ずつ)が検討されることが多く、親知らずを含めて合計8本の抜歯を検討するケースもあります。便宜抜歯は噛み合わせの左右バランスを保つため、左右対称に偶数本を抜く計画になりやすく、上下顎ともにスペースが必要なら小臼歯を計4本抜く方針が候補になります。
さらに、矯正治療の妨げになる親知らず(8番)が4本残っていれば、奥歯の移動や清掃性、将来的なトラブル予防を考慮して抜歯を勧められることがあります。その場合、小臼歯4本+親知らず4本で合計8本の抜歯を検討するケースがあります。
一方で、上の前歯だけを下げたい場合は上顎の小臼歯2本のみ、片側だけスペースが必要なケースでは1本や3本といった奇数抜歯が選ばれることもあります。例えば、顎のズレや正中(前歯の真ん中)のずれを整える目的で、あえて非対称に抜く場合があります。
本数が多いほど歯を失う負担は増えますが、無理に本数を減らすと仕上がりに影響することもあります。本数と仕上がりはトレードオフの関係にあるため、必要本数は検査結果に基づいて判断することが重要です。
親知らず(8番)は抜く?残す?
親知らずは、生え方や残せる見込み、矯正への影響によって抜くか残すかが判断されます。矯正の妨げになる場合や、将来的な虫歯・歯周病・炎症のリスクが高いと判断される場合は、抜歯を勧められることがあります。
親知らずは最も奥に位置し、まっすぐ生えていないことや歯ブラシが届きにくいことがあります。そのため、虫歯・歯周病・智歯周囲炎などのトラブルが起こりやすい歯です。矯正では、奥歯を後方へ動かしてスペースを作る際に親知らずが妨げになる場合や、治療後の歯列に影響する可能性がある場合に、抜歯が検討されます。
一方で、上の親知らずがまっすぐ生えていて清掃しやすく、将来活用できそうな場合は、ほかの歯が失われたときの移植候補として残す方針をとることもあります。例えば、小臼歯を4本抜く計画でも、親知らずは状態を見て「今は残して経過観察」とする場合があります。
親知らずの抜歯は、腫れや痛みを伴うことがあります。横向きや骨に埋まっている親知らずでは、口腔外科での処置が必要になることもあります。抜くタイミングと必要性は、担当医と確認しておきましょう。親知らずの要否や生え方には個人差があります。
歯を抜く矯正のメリットとデメリット
抜歯矯正のメリットは、スペースを十分に確保でき、前歯を後方へ動かして口元や噛み合わせを整えやすくなることです。一方で、健康な歯を失う、抜歯後に一時的な隙間ができる、治療期間が長くなりやすい、痛みや費用の負担が増えるといったデメリットもあります。
抜歯は仕上がりの自由度を高める手段である反面、元に戻せない処置でもあります。メリットとデメリットを両面から理解して選ぶことが大切です。
メリットの中心は、確保したスペースを使って歯を無理なく並べられることです。前歯を後方へ下げられるため、口元の突出感(口ゴボ)や出っ歯の改善、横顔のバランスの調整が期待できることがあります。また、歯が整うことで歯ブラシが届きやすくなり、虫歯・歯周病のリスク管理につながる場合もあります。
中等度から重度の症例にも対応しやすく、安定した噛み合わせを目指しやすい点も利点です。一方で、健康な歯を抜くこと自体が不可逆的な処置である点には注意が必要です。
抜歯後は、スペースが閉じるまで隙間が見える期間があります。期間は症例によって異なりますが、人によっては数か月続くことがあります。歯を動かす距離が長くなるぶん、治療期間は非抜歯より延びやすく、抜歯の費用や処置時の痛み・腫れも負担になります。
さらに、前歯を下げすぎると口元がへこんで見える、ほうれい線が目立つように感じる、想定と違う印象になるといったケースもあります。こうしたメリットとデメリットは表裏一体で、どちらを重視するかは歯並びや希望によって変わります。仕上がりには個人差があります。
- ベストチョイス編集部からのひとこと
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抜歯への不安は、「健康な歯を抜くこと」だけでなく「抜いた後の隙間がいつまで残るのか」に向くこともあります。隙間は治療の過程で歯が動いて閉じていくものですが、閉じきるまでの期間には幅があります。
抜歯の判断で迷う場合は、抜く本数や費用だけでなく、抜いた場合と抜かない場合で口元や噛み合わせの仕上がりがどう変わるのかを、シミュレーションや検査結果をもとに比較して説明してもらうと、納得して選びやすくなります。
抜かない矯正(非抜歯)でスペースを作る方法と違い
抜かない矯正(非抜歯)では、奥歯を後方へ動かす、歯列の幅をわずかに広げる、歯の側面をごく薄く削る(IPR)といった方法でスペースを作ります。軽度のスペース不足や顎に余裕がある場合に向くことがありますが、確保できるスペースは抜歯より小さく、重度の症例や口元を大きく下げたいケースには適さないことがあります。
抜くか抜かないかは、必要なスペース量と仕上がりの目標によって判断されます。非抜歯にこだわりすぎると、前歯が前方へ傾いて口元が突出する場合があるため、検査結果に基づく判断が必要です。

非抜歯でスペースを作る主な方法を、特徴と確保できる量の目安で整理すると、おおむね次のようになります。いずれも作れるスペースには限りがあり、必要量が大きい場合は抜歯が選択肢になります。
| 方法 | 内容 | 向いているケース | スペースの目安 |
|---|---|---|---|
| 奥歯の後方移動 | 奥歯を後ろへ動かして前方に余地を作る | 奥に動かす余裕がある軽〜中等度 | 数mm程度 |
| 歯列の側方拡大 | 歯列の幅をわずかに広げる | 歯列の幅に余裕がある軽度 | ごくわずか |
| IPR(歯を薄く削る) | 歯の側面を少量削る | 軽度の叢生・隙間の微調整 | 1か所あたり微量 |
| 抜歯(小臼歯) | 4番または5番を抜いて大きく確保 | 中〜重度・口元の突出が強い | 小臼歯1本分のスペース |
IPR(歯を削る)・拡大・奥歯の移動
非抜歯の代表的な方法は、IPR(歯の側面を薄く削る)・歯列の側方拡大・奥歯の後方移動の3つです。いずれも歯を抜かずに少量のスペースを作る手段です。
IPR(ディスキング・ストリッピングとも呼ばれます)は、歯と歯の間のエナメル質を少量削り、軽度の叢生や隙間の微調整に用いられます。削る量はごくわずかで、処置中の痛みは少ないことが多いとされます。ただし、歯を削る処置であるため、知覚過敏や虫歯リスクへの配慮、処置後の清掃管理が必要です。
歯列の側方拡大は歯列の幅をわずかに広げる方法、奥歯の後方移動は奥歯を後ろへずらして前方に余地を作る方法です。いずれも顎や歯列に余裕があることが前提です。
例えば、軽度のガタつきだけが気になる方なら、IPRと拡大の組み合わせで抜かずに整えられることがあります。一方、これらで作れるスペースの合計には限りがあり、大きなスペースが必要な場合は抜歯が検討されます。
無理に非抜歯にこだわると、前歯が前方へ押し出されて口元が突出する仕上がりになる可能性があります。適応の可否は歯並びと骨格によって異なり、個人差があります。
抜歯と非抜歯の判断基準(Eライン・精密検査)
抜歯か非抜歯かは、必要なスペース量、口元の突出度(Eライン)、骨格、年齢などを精密検査で総合的に評価して判断されます。判断材料となるのは、歯と顎の大きさのバランス、横顔で唇が鼻先とあご先を結んだEラインに対しどれだけ前に出ているか、噛み合わせのずれ、成長段階などです。
これらをレントゲン(セファロ)やCT、口腔内の型取り・写真をもとに分析し、抜歯でしか作りにくいスペースが必要かどうかを見極めます。例えば、口元の突出が強くEラインより唇が大きく前に出ているケースでは、前歯を下げる量が大きいため、抜歯が選ばれやすくなります。一方、突出が軽くスペース不足もわずかなら、非抜歯で対応できることがあります。
注意したいのは、同じ歯並びでも歯科医師によって抜歯の判断が分かれることがある点です。これは、どこまで口元を下げるか、後戻りリスクをどう見るかといった治療方針の違いによるものです。インターネットの情報や見た目だけで自己判断するのは難しく、最終的な要否は検査と診断に基づきます。判断の結果には個人差があります。
抜歯矯正の痛み・期間・費用の目安
矯正の抜歯は、処置自体は局所麻酔下で行われます。小臼歯の抜歯であれば数分〜数十分程度で終わることが多く、抜歯後の痛みは数日で落ち着くことがあります。抜いた隙間が閉じるまでには数か月かかる場合があり、抜歯を伴う矯正は非抜歯より治療期間が長くなることがあります。
便宜抜歯は、歯列矯正で歯を動かすスペースを作るために歯を抜く処置です。矯正治療の一環として行う便宜抜歯は、基本的に自由診療となることが多く、費用は1本あたりおおむね5,000〜15,000円(税込)が目安です。親知らずの抜歯は、生え方や処置内容によって保険適用になる場合と自由診療になる場合があります。
痛みについては、抜歯当日から翌日にかけて痛みや腫れが出ることがあり、その後徐々に落ち着くのが一般的です。小臼歯の抜歯は比較的短時間で終わり、痛みも数日でやわらぐことが多い一方、親知らず、特に横向きや埋まっている場合は腫れや痛みが数日〜1週間程度続くことがあります。
主なリスク・副作用としては、痛み、腫れ、出血、内出血、感染、ドライソケット、隣の歯や歯ぐきへの影響、親知らずの抜歯では神経の近くを処置する場合のしびれなどが挙げられます。痛みを長引かせないためには、抜歯後に血行が良くなる激しい運動・飲酒・長風呂を避け、患部を強く触らず、処方された薬を用法どおり服用することが大切です。
矯正治療そのものも多くの場合は自由診療です。治療内容は、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正などの装置を使って歯を少しずつ動かし、歯並びや噛み合わせを整えるものです。期間は全体矯正で1〜3年程度、その後は保定期間が必要になることがあります。主なリスク・副作用として、痛みや違和感、虫歯・歯周病リスクの上昇、歯根吸収、歯肉退縮、後戻り、装置破損などがあります。
費用は、矯正治療の装置や範囲によって総額が大きく変わります。便宜抜歯の費用に加え、精密検査料・装置料・調整料・保定装置の費用などがかかる場合があります。提示金額に何が含まれるかを確認しておくと、後から想定外の出費に驚きにくくなります。痛みの感じ方、隙間が閉じる速さ、費用には個人差があります。
抜く歯で後悔しないために確認したいこと
抜歯で後悔しないためには、抜く前に「抜いた場合と抜かない場合で仕上がりがどう変わるか」を説明してもらい、必要なら複数の医院で意見を聞くことが大切です。抜歯は歯を失う不可逆的な処置のため、本数や部位の根拠、口元の最終的なイメージ、後戻りや費用まで含めて納得したうえで進めると、後悔のリスクを減らしやすくなります。
後悔につながりやすいのは、「抜く必要がなかったのでは」という疑問や、「前歯を下げすぎて口元がへこんだ」「想定より治療が長引いた」といった仕上がりとのギャップです。これらを防ぐには、カウンセリングで抜く歯の番号と本数、なぜその部位なのか、抜いた場合と非抜歯の場合で口元・横顔・噛み合わせがどう違うのかを、シミュレーションや検査データをもとに確認しておくとよいでしょう。
歯科医師によって抜歯の判断が分かれることもあるため、迷う場合は別の歯科医院でセカンドオピニオンを受けるのも一つの方法です。例えば、1つの医院で「抜歯が必要」と言われても、別の医院では非抜歯の選択肢を提示されることがあります。それぞれの根拠と仕上がりの違いを比べることで、自分が何を優先したいかを整理しやすくなります。
抜歯は一度行うと元に戻せないため、急がず納得できるまで相談することが重要です。情報や見た目だけの自己判断は避け、検査結果に基づいて相談しましょう。判断や仕上がりには個人差があります。
※本記事は一般的な情報を整理したものです。抜く歯の部位・本数や抜歯の要否は、歯並び・骨格・噛み合わせによって大きく異なります。個別の診断・治療方針については、必ず担当の歯科医師にご相談ください。
歯列矯正に関するよくある質問
Q. 歯列矯正で前歯を抜くことはありますか?
前歯(1〜3番)を矯正目的で抜くケースは多くありません。前歯は見た目・発音・噛み合わせの誘導を担う重要な歯のため温存を優先し、抜く場合は中間にある第一小臼歯(4番)や第二小臼歯(5番)が候補になりやすいとされています。ただし、前歯が重度の虫歯や破折で残せない場合は、例外的に治療計画に組み込まれることがあります。
Q. 矯正で抜く歯は何本になりますか?
上下左右で対称に4本(各顎の左右1本ずつ)が検討されることが多いです。上の前歯だけを下げたい場合は上顎の2本のみ、親知らずも抜く場合は小臼歯4本と合わせて合計8本の抜歯を検討するケースもあります。片側だけスペースが必要なケースでは1本や3本の奇数抜歯になることもあり、本数は検査結果で決まります。
Q. 親知らずは必ず抜きますか?
必ずではありません。奥歯を動かす妨げになる、清掃しにくく虫歯や炎症のリスクが高い、治療後の歯列に影響する可能性があると判断された場合に抜歯を勧められることがあります。一方、まっすぐ生えていて清掃しやすく、将来活用できそうな場合は残す方針をとることもあります。生え方や残せる見込みによって判断が分かれるため、担当医に確認してください。
Q. 抜かずに歯列矯正することはできますか?
軽度のスペース不足や顎に余裕がある場合は、奥歯の後方移動・歯列の拡大・IPR(歯を薄く削る処置)で抜かずに治療できることがあります。ただし、作れるスペースは限られます。口元の突出が強い場合や中〜重度の症例では、抜歯が必要になることがあります。適応は精密検査で判断されます。
Q. 抜歯した後の隙間はいつ閉じますか?
抜歯でできた隙間は、歯を動かしながら少しずつ閉じていきます。完全に閉じるまでには数か月かかることがあり、その間は隙間が見える期間があります。閉じる速さは動かす距離や装置、個人の歯の動きやすさによって変わるため、目安は担当医に確認するとよいでしょう。
Q. 矯正の抜歯は痛いですか?どのくらい続きますか?
処置は局所麻酔下で行うため、抜く際の痛みは抑えられることが一般的です。抜歯後は当日〜翌日に痛みや腫れが出ることがあり、小臼歯では数日で落ち着くことがあります。親知らずは、数日〜1週間程度続くこともあります。激しい運動や飲酒を避け、薬を用法どおり使うと悪化を防ぎやすくなります。
Q. 抜歯費用は保険が使えますか?
矯正のための便宜抜歯は基本的に自由診療となることが多く、1本あたりおおむね5,000〜15,000円(税込)が目安です。これに加え、矯正本体の費用・精密検査料・調整料・保定装置料などがかかる場合があります。親知らずの抜歯は、生え方や処置内容によって保険適用になる場合と自由診療になる場合があります。金額や保証の範囲は医院によって異なるため、提示額に何が含まれるかを事前に確認しておきましょう。
まとめ
歯列矯正で抜く歯は、前から4番目の第一小臼歯が選ばれることが多く、症例によって5番目の第二小臼歯が選ばれます。矯正目的では前歯や奥歯(大臼歯)を抜くケースは多くなく、上下左右で対称に4本、小臼歯4本に親知らず4本を加えて合計8本の抜歯を検討することもあります。
第一小臼歯が候補になりやすいのは、歯列の中央付近にあり、前歯を下げる移動にも奥歯の調整にもスペースを使いやすいためです。本数や部位は、叢生・出っ歯・口ゴボなどの歯並び、骨格、Eライン、虫歯や歯周病の状態などをもとに精密検査で判断されます。
抜歯には、スペースを確保して口元や噛み合わせを整えやすいというメリットがあります。一方で、歯を失う、一時的な隙間ができる、治療期間が長くなりやすい、費用や痛みの負担があるというデメリットもあります。軽度であればIPRや拡大・奥歯の移動で抜かずに治療できることもあり、抜くか抜かないかは必要なスペース量と仕上がりの目標によって変わります。
抜歯は元に戻せない処置です。抜く歯の番号と本数の根拠、抜いた場合と非抜歯の場合の仕上がりの違い、費用やリスクを確認し、迷うときはセカンドオピニオンも活用しながら、納得できる方針を担当の歯科医師と一緒に選びましょう。
※本記事は一般的な情報を整理したものです。個別の症例については、必ず担当の歯科医師にご相談ください。治療効果・適応・抜歯の要否や仕上がりには個人差があります。
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