奥歯のインプラント治療は難しい?メリット・デメリットや費用を解説

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奥歯のインプラント治療は、骨の量や歯周炎の有無、噛み合わせの状態などによって難易度が高くなるケースがあります。奥歯は咬合力が強くかかる部位でもあり、前歯とは異なる配慮が求められることもあるでしょう。

本記事では、奥歯のインプラントが難しいとされる理由をはじめ、奥歯のインプラント治療で考えられるメリット・デメリット、さらに費用の目安について解説します。

奥歯のインプラント治療は難しいとされるケース

奥歯のインプラントが「難しい」といわれる背景には、解剖学的な条件や咬合力の問題があります。すべての症例で難易度が高いわけではありませんが、一定の条件が重なると治療計画が複雑になることもあるでしょう。

難易度が上がりやすい代表的なケースとしては、以下が挙げられます。

  • 骨の量が十分ではない
  • 進行した歯周炎がある
  • 角化歯肉が不足している
  • 歯ぎしりや食いしばりの癖がある

詳しく見ていきましょう。

骨の量が十分ではない

インプラント治療では、人工歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、骨と結合させて固定します。そのため、骨の高さや厚みが不足している場合、インプラント体を安定して埋入できない可能性もあるでしょう。

特に上顎の奥歯では、上顎洞との距離が近く、骨の厚みが不足しやすいとされています。骨量が足りない場合には、骨造成やサイナスリフトなどの前処置が検討されることがあり、その分治療期間や外科的負担が増えるケースもあるでしょう。

骨の状態はレントゲンやCT検査によって評価されるため、事前の精密検査が重要です。十分な診査を行ったうえで、適応の可否が判断されます。

進行した歯周炎がある

重度の歯周炎がある場合、歯を支えている顎の骨や歯ぐきがすでに大きく失われていることがあります。その状態では、インプラント体を安定して支えるだけの骨量や軟組織が不足するケースが少なくありません。

また、歯周病はインプラント周囲炎のリスク因子のひとつです。そのため、進んだ歯周病がある場合はインプラントの前に歯周病の治療を行い、口腔内の環境を整えることが前提になります。

角化歯肉が不足している

インプラントの周囲には、動きにくく厚みのある歯ぐきである「角化歯肉」が一定量存在していることが望ましいとされています。角化歯肉が不足している場合、ブラッシングがしにくくなり、炎症が起こりやすい環境になることがあるためです。

特に奥歯は清掃が難しい部位でもあり、インプラント周囲炎のリスクが高まると指摘されることもあります。必要に応じて遊離歯肉移植術などの外科処置が検討されるケースもあり、治療のステップが通常より増える可能性も否定できません。

角化歯肉の状態も、治療計画を立てるうえで重要な要素のひとつといえるでしょう。

歯ぎしりや食いしばりの癖がある

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、奥歯には強い咬合力が繰り返しかかります。インプラントは骨と直接結合する構造であるため、過度な力が集中するとインプラント体や上部構造、周囲の骨に負担が生じるおそれが否定できません。

特に奥歯は噛む力が大きく作用する部位です。そのため、咬合設計や上部構造の形態に配慮しながら治療計画を立てる必要があります。状況によってはナイトガードの使用や噛み合わせの調整を行うこともあり、術後の経過観察も重要になるでしょう。

口腔悪習癖がある場合は、こうしたリスクを把握したうえで治療方針を決めることが求められます。

奥歯のインプラント治療のメリット

奥歯は噛む力を担う重要な部位であり、欠損したままにすると咀嚼機能に影響が出る可能性も否定できません。インプラント治療が適切に行われた場合、以下のようなメリットがあるとされています。

  • 自然な噛み心地が得られる
  • 健康な歯に負担をかけにくい
  • 顎の骨の痩せ抑制が期待できる
  • 長く使用できる
  • 痛みや違和感が生じにくい

それぞれの内容について、解説します。

自然な噛み心地が得られる

インプラントは顎の骨に固定される構造のため、取り外し式の入れ歯に比べて動きが少なく、安定した噛み心地が得られやすいとされています。奥歯でしっかり噛めることにより、食事の満足度が向上するケースもあるでしょう。

噛み心地には個人差があり、周囲の歯の状態や噛み合わせの設計によっても感じ方は異なりますが、自分の歯に近い感覚が得られる可能性も期待できます。

健康な歯に負担をかけにくい

ブリッジ治療では、欠損部の両隣の歯を削り、支台として利用するのが一般的です。一方、インプラントは欠損した部位に単独で人工歯根を埋入するため、通常は隣接する健康な歯を削る必要がないとされています。

そのため、周囲の歯をできるだけ保存したいと考える場合の選択肢のひとつとなり得るでしょう。

顎の骨の痩せ抑制が期待できる

歯を失った部位では、これまで歯を通じて顎骨に伝わっていた咀嚼時の刺激が減少します。刺激が十分に加わらない状態が続くと、顎の骨が徐々に吸収されやすくなることが懸念されるでしょう。特に奥歯は咬合力を担う部位であり、欠損が長期化した場合には影響が現れることもあるかもしれません。

その点インプラントは人工歯根を骨に埋入する治療であり、噛む力を骨に伝える構造といえます。入れ歯と比べて、骨の吸収を抑える効果が期待できるでしょう。

長く使用できる

インプラントは、適切なセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを継続することで、長期間の使用が可能とされている治療法です。

ただし、使用できる期間は口腔衛生状態や噛み合わせ、全身の健康状態などに左右されます。必ずしも「一生持つ」「半永久的に維持できる」と断定できるものではない点は、理解しておく必要があるでしょう。

痛みや違和感が生じにくい

インプラントは固定式のため、取り外し式の入れ歯のように動いて擦れることが少ない構造です。そのため、使用中の痛みや違和感が比較的少ない傾向にあるとされています。この点はインプラント治療のメリットといえるでしょう。

手術直後には腫れや痛みが生じることがありますが、通常は時間の経過とともに落ち着き、日常生活で大きな違和感なく使用できるのが一般的です。

奥歯のインプラント治療のデメリット

奥歯のインプラント治療はメリットがある一方、注意すべき点もあります。主にデメリットといえるものは、以下のとおりです。

  • 原則として費用が全額負担になる
  • 外科手術が必要になる
  • 治療期間が長期になりがち
  • 施術できないケースもある

インプラント治療を検討する際には、メリットだけではなくデメリットも理解しておくことが大切です。

原則として費用が全額負担になる

インプラント治療は基本的に保険適用外の自由診療であり、原則として治療費は全額自己負担となります。一部の例外を除き、公的医療保険は適用されません。

費用には、診査・診断料、手術費用、インプラント体、上部構造(人工歯)、メンテナンス費用などが含まれることが一般的です。ただし、費用の内訳や設定は歯科医院によって異なります。

口腔内の状態や既往によっては、追加処置が必要になる場合もあるでしょう。事前に見積もりを確認し、総額を把握しておくことが重要です。

外科手術が必要になる

インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋入する外科手術が欠かせません。局所麻酔下で実施されるのが一般的ですが、出血や腫れ、痛みなどの術後症状が生じることがあります。

骨の量や位置関係によっては、骨造成などの追加手術が検討されるケースも少なくありません。その場合は手術の回数やリスクも増えるため、全身状態の確認と慎重な説明が求められるでしょう。

治療期間が長期になりがち

インプラントは、インプラント体の埋入後に骨と結合するまで一定の期間を待つ必要がある治療です。奥歯の場合、骨の状態や治癒の経過によっては数ヵ月程度を要することがあるとされています。

さらに、骨造成や歯周病治療などの前処置を行う場合には、全体の治療期間が延びる可能性も否定できません。症例によっては、全体の治療期間が1年以上かかることもあるでしょう。

そのため、通院回数やスケジュール面の負担も考慮しておく必要があります。治療計画の段階で、期間の目安や通院頻度について説明を受けておくことが望ましいといえるでしょう。

施術できないケースもある

希望するすべての方が、必ず奥歯のインプラント治療を受けられるわけではありません。重度の全身疾患やコントロール不良の糖尿病、顎の骨量が極端に少ない場合などでは、インプラント治療が適さない、あるいは慎重な検討が必要とされることがあります。

また、喫煙や口腔衛生不良はインプラント周囲炎のリスク因子とされており、カウンセリングや検査結果を踏まえて、他の治療法を提案される可能性も否定できません。

インプラント治療の適応の判断は個別に行われるため、カウンセリングで十分な説明を受けることが大切です。

奥歯のインプラント治療の費用相場

奥歯1本のインプラント治療費は、インプラント体の埋入手術、人工歯、診査・診断などを含めて、30万~50万円程度がひとつの目安とされています。

ただし骨量が不足している場合に骨造成やサイナスリフトなどの追加処置が行われると、数万円から十数万円程度が加算されるケースも少なくありません。

項目 費用の目安 含まれる内容・備考
インプラント治療(1本あたり) 30万円〜50万円 インプラント体の埋入、人工歯、診査・診断など
追加処置(骨造成・サイナスリフト等) 数万円〜十数万円 骨量が不足している場合に加算される費用

インプラント治療は自由診療であるため、治療費の設定は歯科医院ごとに異なります。そのため見積もりでは、治療費に何が含まれているのか、何にどれだけの金額が必要なのかを確認することが重要です。

まとめ

奥歯のインプラント治療は、骨の量や歯周炎の状態、噛み合わせなどの条件によって難易度が上がることはありますが、必ずしも難しいというものではありません。適切な診査を行い、リスクや前処置の有無を確認したうえで計画を立てることが大切です。

また、インプラント治療は機能面でのメリットがある一方、自由診療であることや外科手術を伴う点、治療期間が長くなる可能性なども踏まえて検討する必要があります。重要なのは、「難しいかどうか」ではなく、インプラント治療が自身に適しているかを正しく判断することといえるでしょう。

「ベストチョイス」では、地域や診療内容から歯科医院を検索できます。奥歯のインプラントについて詳しく説明を受けたい場合は、カウンセリングに対応している医院を探し、まずは専門的な見解を確認してみるのもひとつの方法でしょう。

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ベストチョイス編集部
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