歯茎の後退(歯肉退縮)の原因と下がった歯茎を改善する治療法・費用をやさしく解説

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歯茎の後退(歯肉退縮)は、歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、歯の根元がしみたりする状態で、歯周病・強すぎるブラッシング・歯ぎしり・加齢などが主な原因です。いったん下がった歯茎はセルフケアだけで元の位置まで戻すことは難しく、進行を抑えるケアと、必要に応じた歯肉移植などの治療を組み合わせて考えます。

本記事では原因・症状・自力で戻せるのか・治療法と費用(税込)・予防・受診の目安を中立に整理しました。進行や適応には個人差があります。

この記事でわかること
  • 歯茎の後退(歯肉退縮)の見た目・症状と進行のサイン
  • 歯茎が下がる主な原因と、自力で戻せるかどうか
  • 下がった歯茎の改善を目指す治療法と費用相場(税込)・期間・リスク
  • 進行を抑える予防のコツと早めに受診したい目安

歯茎の後退(歯肉退縮)の原因と下がった歯ぐきの改善を目指す治療法・費用をやさしく整理するアイキャッチ。下がった歯ぐきを気にして歯科に相談に来た雰囲気の人物と、根元が見えた歯や手鏡を思わせる抽象シルエットを添えた、清潔感のある歯科情報イラスト。

歯茎の後退(歯肉退縮)とは|見た目・症状のサイン

歯茎の後退(歯肉退縮)とは、歯を覆っていた歯ぐきが下がり、本来は隠れているはずの歯の根元(歯根)が露出してくる状態です。歯が以前より長く見える、歯と歯の間にすき間(ブラックトライアングル:黒い三角形のすき間)が目立つ、冷たいものがしみる、といった変化が代表的なサインです。

痛みを伴わずゆっくり進むこともあるため気づきにくく、鏡で「歯が伸びた気がする」と感じたときには、ある程度進んでいることもあります。下がり方や進み方には個人差があります。

歯茎の後退(歯肉退縮)で起こる見た目と症状のサインを示した図解。健康な歯ぐきと下がった歯ぐきを対比し、歯が長く見える・冷たいものがしみる・歯と歯の間にすき間ができるという3つのサインを並べ、気づいた変化は早めに歯科で確認するよう促す。

歯ぐきは健康な状態では歯の根元をぐるりと覆い、歯を支える土台の一部として働いています。この歯ぐきが下がると、エナメル質に守られていない歯根(象牙質やセメント質)が口の中に露出します。

象牙質はエナメル質より柔らかく、刺激が神経に伝わりやすいため、冷たい水やブラッシングでしみる知覚過敏が起きやすくなります。例えば、朝の歯みがきで前歯や奥歯の根元がツンとしみる、アイスを食べると一部の歯だけしみる、といった形で自覚することがあります。

見た目の面では、歯が長く見えて老けた印象につながったり、前歯のすき間に食べ物が挟まりやすくなったりすることもあります。下がり方や感じ方には個人差があります。

「歯が長くなった」「しみる」など気づきやすい症状

歯肉退縮で気づきやすいのは、歯が長く見える・歯の根元がしみる・歯と歯の間にすき間ができる、という3つの変化です。歯ぐきが下がると、それまで歯ぐきに隠れていた歯根が見えるため、歯そのものが伸びたように見えます。

露出した歯根は知覚過敏を起こしやすく、冷たい飲み物や風、歯みがきのたびにしみることがあります。また、歯と歯の間を埋めていた歯ぐき(歯間乳頭)が下がると、すき間に黒い三角形の影ができ、食べ物が挟まりやすくなります。

さらに、露出した歯根はエナメル質に覆われていないぶん、歯の根元の虫歯(根面う蝕:歯の根にできる虫歯)になりやすい点にも注意が必要です。これらは見た目だけで進行度を正確に判断するのは難しく、知覚過敏だと思っていたら根元に虫歯ができていた、というケースもあります。

気になる変化に気づいたら自己判断で放置せず、歯科医院で確認すると安心です。症状の出方には個人差があります。

歯肉退縮の進行度の目安(軽度・中等度・重度)

歯肉退縮は、歯根の露出量や歯と歯の間の歯ぐき(歯間乳頭)が残っているかどうかで、おおまかに軽度・中等度・重度に整理できます。軽度は歯根の露出がわずかで歯間の歯ぐきが保たれている段階、中等度はさらに露出が進んだ段階、重度は歯と歯の間の歯ぐきや支える骨まで失われ、見た目への影響が大きい段階です。

歯ぐきが下がる背景には、歯を支える骨(歯槽骨)の状態も関わるため、歯ぐきと骨の両方を歯科医院で評価する必要があります。一般に、歯間の歯ぐきや骨が残っているうちは、移植などの治療で根面の被覆を目指せる場合があります。一方で、骨まで大きく失われた段階では、完全に元どおりにするのは難しくなる傾向があります。

どの段階かによって選べる治療や見込みが変わるため、進行度の見極めは歯科医師の診査が前提です。進行の程度や治療の見込みには個人差があります。

ベストチョイス編集部からのひとこと

歯茎の後退で読者が見落としやすいのが、「しみる=知覚過敏だけ」と考えてしまう点です。実際には、露出した歯根に虫歯ができていたり、歯周病が背景に隠れていたりすることがあります。

歯ぐきが下がる速さや見た目への影響は、原因や歯並びによって異なります。鏡で気づいた変化を「年齢のせい」と片づける前に、一度受診して原因と進行度を確認しておくと、その後の選択肢を検討しやすくなります。

歯茎が後退する主な原因

歯茎が後退する原因は一つではなく、歯周病、強すぎる・誤ったブラッシング、歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせや歯並び、矯正治療の影響、加齢、喫煙やホルモンバランスなどが単独または重なって起こります。中でも歯を支える骨が溶ける歯周病は代表的な原因の一つで、毎日の歯みがきの「力の入れすぎ」も見落とされがちな要因です。

原因によって対処や改善の見込みが変わるため、まずどれに当てはまるかを知ることが第一歩になります。

歯茎が後退する主な原因を6つのカードで示した図解。歯周病、強すぎる歯みがき、歯ぎしり・食いしばり、噛み合わせ・歯並び、矯正治療の影響、加齢・喫煙などを並べ、原因はひとつとは限らず重なって起こることを伝える歯科情報イラスト。

歯肉退縮の原因は、大きく「歯ぐきや骨に炎症・感染が起きるもの」と「歯ぐきに物理的な力や刺激が加わるもの」に分けて考えると整理しやすくなります。下表に主な原因と特徴をまとめました。複数の原因が同時に関わっていることも多く、自己判断では特定が難しいため、最終的には歯科医院での診査が必要です。

主な原因 タイプ 特徴・起こり方
歯周病 炎症・感染 歯を支える骨が溶け、それに伴って歯ぐきが下がることがある
強すぎる・誤ったブラッシング 物理的刺激 硬い毛・力の入れすぎ・横磨きで歯ぐきに負担がかかる
歯ぎしり・食いしばり 過剰な力 特定の歯に強い力がかかり、歯ぐきや骨に影響することがある
噛み合わせ・歯並び 過剰な力・構造 一部の歯への負担や、歯ぐきの薄い部位で起こりやすい
矯正治療の影響 力・構造 歯の移動に伴い、薄い歯ぐきが下がることがある
加齢・喫煙・ホルモン 全身・生活習慣 組織の変化や血流低下が背景になりうる

歯周病・強すぎるブラッシング・歯ぎしり

歯肉退縮の原因として代表的なのが、歯周病・強すぎるブラッシング・歯ぎしりです。歯周病は歯ぐきの炎症から始まり、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、それに伴って歯ぐきが下がっていきます。骨が失われた部分の歯ぐきは元に戻りにくいため、早い段階で炎症を抑えることが大切です。

一方、毎日の歯みがきも、硬い歯ブラシでゴシゴシと強く横磨きをすると、歯ぐきに負担がかかり、下がる原因になることがあります。「しっかり磨こう」とする気持ちが、かえって歯ぐきを傷つけていることもあります。

さらに、就寝中の歯ぎしりや日中の食いしばりは特定の歯に強い力を集中させ、その歯の歯ぐきや骨が下がる一因になるとされています。例えば、朝起きるとあごが疲れている、歯の根元がくさび状に削れている(くさび状欠損)といったサインがある場合、力のかかり方が関係していることがあります。

どの要因が主かは見た目だけでは分かりにくく、原因に応じた対処が必要です。影響の程度には個人差があります。

噛み合わせ・矯正治療・加齢・喫煙との関係

歯ぐきの後退は、噛み合わせや歯並び、矯正治療、加齢、喫煙やホルモンバランスとも関わります。歯並びが悪く一部の歯に負担が集中したり、もともと歯ぐきや骨が薄い部位だったりすると、その歯の歯ぐきが下がりやすくなることがあります。

矯正治療では歯を動かす過程で、薄い歯ぐきの部分に退縮が起こることがありますが、これは適切な診査・計画のもとで管理される範囲のリスクであり、必ず起こるものではありません。加齢に伴って歯ぐきが少しずつ下がるのは自然な変化の一つで、長年の負担が積み重なる側面もあります。

喫煙は歯ぐきの血流を低下させて歯周病を悪化させやすく、退縮の背景になりうるとされています。また、思春期や妊娠期などホルモンバランスが変化する時期は、歯ぐきが炎症を起こしやすくなることがあります。

例えば、矯正を検討している方や喫煙習慣のある方は、歯ぐきの状態を事前に確認しておくと、退縮のリスクに備えやすくなります。原因の関わり方や程度には個人差があります。

下がった歯茎は自力で戻せる?セルフケアでできること

いったん下がってしまった歯茎を、歯みがきやマッサージなどのセルフケアだけで元の位置まで戻すことは難しいとされています。歯ぐきや、その下で歯を支える骨が失われた部分は、自然に再生して元どおりになるわけではないためです。

ただし、セルフケアは「下がった歯ぐきを戻す」ものではなく、「進行を抑える」「原因を減らす」という点で重要です。歯ぐきを元に戻すこと自体は治療の領域、進行を抑えることはセルフケアと治療の両輪、と整理すると分かりやすいでしょう。

具体的には、まず歯ブラシを鉛筆を持つように軽く握り、毛先を歯と歯ぐきの境目に当てて小刻みに動かす、やわらかめの歯ブラシで弱い力で磨くことが基本です。力の入れすぎによる退縮を防ぐには、ゴシゴシ横磨きをやめるだけでも意味があります。

次に、歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシでプラークを取り除き、歯周病の進行を抑えます。フッ化物配合の歯みがき剤や知覚過敏向けの歯みがき剤を使うと、根面の虫歯予防やしみる症状の緩和に役立つことがあります。

ただし、これらは「下がった歯ぐきを戻す」ものではなく、あくまで予防・症状緩和の補助です。歯ぐきのマッサージも血行を促す目的で行われることがありますが、強くこすると逆効果になりかねないため、やさしく行うことが大切です。

歯周病や噛み合わせなど背景に原因がある場合、セルフケアだけでは限界があり、歯科医院での専門的な治療と組み合わせる必要があります。自己流のケアで様子を見続けるより、一度受診して原因を確認するほうが安心です。セルフケアの効果や進行の抑え方には個人差があります。

ベストチョイス編集部からのひとこと

「自力で戻す方法」を探して情報を集める方は多いですが、セルフケアの主目的は「戻す」ではなく「これ以上悪化させにくくする」ことです。ここを取り違えると、効果の出にくいケアを続けて進行を見逃すことにつながりかねません。

市販のケア用品で対処しつつ、原因が歯周病や噛み合わせにある場合は早めに専門的な治療を併用するのが現実的です。まずは原因の特定を歯科医院に任せ、セルフケアはその指導に沿って続けるとよいでしょう。

下がった歯茎の改善を目指す治療法と費用の目安

下がった歯茎の改善を目指す治療には、歯ぐきを移植する根面被覆術(結合組織移植術CTG・遊離歯肉移植術FGG)、ヒアルロン酸を注入する方法、白い樹脂で見た目を整えるダイレクトボンディングなどがあり、いずれも自由診療が中心です。

まず歯周病が背景にあれば、その治療(歯周基本治療)を行ってから外科的な処置を検討します。治療法によって、見た目の改善度・効果の持続・費用・体への負担が異なるため、原因と進行度に合わせて選ぶことになります。

代表的な治療法を、治療内容・費用の目安(税込総額)・期間や効果の持続の観点で整理すると、おおむね次のようになります。費用や期間は医院や症例によって幅があり、保険が適用される歯周病治療と、自費の審美・移植治療では負担が大きく異なります。

治療法 区分 主な内容・適応 費用の目安(税込)
歯周基本治療 保険 歯周病が原因の場合の土台づくり。進行抑制を目指す 数千円程度〜(3割負担の一例。回数・処置内容による)
結合組織移植術(CTG)・根面被覆術 自費 口蓋から結合組織を採り、露出した歯根を覆うことを目指す 1歯あたり 約3万〜12万円
遊離歯肉移植術(FGG) 自費 口蓋から歯ぐきごと採取し、丈夫な歯ぐきを増やすことを目指す 約5万〜16万円程度
ヒアルロン酸注入 自費 軽度のすき間を補う。効果は一時的 1回 約1万〜数万円
ダイレクトボンディング 自費 白い樹脂で見た目のすき間を補う 1本 約3万〜5万円

歯肉移植(結合組織移植術CTG・遊離歯肉移植術FGG)

歯肉移植は、自分の口の中(多くは上あごの内側=口蓋)から歯ぐきの組織を採取し、下がった歯ぐきの部分に移植して改善を目指す外科治療です。代表的なのが結合組織移植術(CTG)と遊離歯肉移植術(FGG)で、いずれも根面被覆術として露出した歯根を覆う目的で行われます。

CTGは、口蓋の表面の下から結合組織を採って移植する方法で、見た目を自然に整えやすいとされます。FGGは、歯ぐきを上皮ごと採取して移植する方法で、丈夫な歯ぐき(角化歯肉:歯の周囲にある硬く動きにくい歯ぐき)の幅を増やしたい場合に用いられます。

治療内容は、移植する組織を採取し、下がった部位に移植・縫合して治癒を待つものです。費用の目安は1歯あたり約3万〜12万円(税込)、複数歯や範囲が広い場合は約5万〜16万円程度になることもあります。

治療期間は移植部位が落ち着くまで数週間〜2、3か月程度が目安です。術後1〜2週間ほどで抜糸を行い、通院回数は検査・手術・抜糸・経過観察で複数回になることがあります。

主なリスク・副作用として、術後の腫れや痛み、移植した組織が生着しないことがある、出血や内出血の跡が一時的に残ることがある、感染のおそれ、口蓋の採取部位に違和感が出ることがある、希望どおりの見た目にならない場合がある、などが挙げられます。

喫煙者や糖尿病・歯周病が進んだ方では適応が難しい場合もあります。適応の可否は精密検査で判断されます。仕上がりや回復の程度には個人差があります。

ヒアルロン酸注入・ダイレクトボンディング

外科手術を避けたい場合や、軽度のすき間・見た目を補いたい場合の選択肢として、ヒアルロン酸注入やダイレクトボンディングがあります。ヒアルロン酸注入は、歯と歯の間のすき間(ブラックトライアングル)などにヒアルロン酸を注入し、歯ぐきのボリュームを補うことを目指す方法です。

費用の目安は1回あたり約1万〜数万円(税込)です。当日〜短期間で対応できることもあります。ただし、ヒアルロン酸は体に吸収されるため効果は一時的で、数か月〜1年程度を目安に再施術が必要になることがあります。

主なリスク・副作用として、注入部位の腫れや内出血、違和感、感染、左右差、期待したボリュームにならないこと、効果が一時的であることなどが挙げられます。適応や持続期間には個人差があります。

ダイレクトボンディングは、下がった歯ぐきで生じたすき間を白い樹脂(コンポジットレジン)で補い、見た目を整える方法です。歯ぐきそのものを増やす治療ではなく、見た目の改善を主目的とする処置です。

費用は1本あたり約3万〜5万円(税込)が目安です。治療内容は、歯の表面を清掃・必要に応じて処理し、樹脂を盛って形を整え、光で固めるものです。通院回数は1〜2回程度が目安です。

主なリスク・副作用として、樹脂が経年で変色・摩耗・欠けることがある、清掃性が落ちると歯周病や虫歯のリスクが上がる、症例によっては適応できない、歯ぐきや骨を再生させる治療ではない、などが挙げられます。どの方法が向くかは原因と進行度によって異なり、効果の持続には個人差があります。

歯周病治療・再生療法と治療の進め方

歯茎の後退の背景に歯周病がある場合は、見た目を整える前に、まず歯周病そのものの治療を進めるのが基本です。歯周基本治療では、歯石やプラークの除去、ブラッシング指導などで歯ぐきの炎症を抑え、これ以上骨が失われにくい状態を目指します。

歯周病治療は保険が適用されるのが一般的で、自費の移植治療に比べて費用負担は抑えられることがあります。ただし、自己負担額は検査・歯石除去・処置内容・通院回数・負担割合によって変わります。

炎症が落ち着いてから、必要に応じて歯肉移植などの審美的な改善を検討する、という順序が安全です。失われた骨や歯ぐきの再生を促す再生療法(エムドゲインなどの薬剤を用いる方法)が選択肢になる場合もありますが、適応は症例によって限られ、すべての退縮を元どおりにできるわけではありません。

例えば、歯周病で骨まで大きく失われている場合は、まず進行を抑えることが最優先となり、見た目の大きな回復が難しいこともあります。治療の進め方は「原因の除去(歯周病・力のコントロール)→必要に応じた改善処置」という流れで、どの段階で何を行うかは診査結果に基づいて歯科医師と相談して決めます。適応や効果、回復の程度には個人差があります。

ベストチョイス編集部からのひとこと

歯茎の後退は「見た目を整える費用」だけに目が向きがちですが、実際には背景にある歯周病治療の有無や、移植が1歯か複数歯かで総額が大きく変わります。同じ移植でも、範囲が広がるほど費用も期間も増えることがあります。

比較する際は、提示された金額に検査・術後管理・再治療時の対応が含まれるか、効果がどのくらい持続する見込みかまで確認すると判断しやすくなります。見た目の改善だけでなく、原因への対処まで含めて担当医とすり合わせるとよいでしょう。

歯茎の後退を防ぐ・進行を抑える方法

歯茎の後退を防ぎ、これ以上進みにくくするためには、力をかけすぎない正しいブラッシングと歯間ケア、歯周病・歯ぎしりへの対処、喫煙などの生活習慣の見直し、そして定期的な歯科健診が基本です。すでに下がった歯ぐきを元の位置まで戻すのは難しくても、原因を取り除くことで進行を抑えられる場合があります。

毎日のケアで「下げにくくする」、健診で「早く見つける」の2本柱が、歯ぐきと歯を守る近道になります。

具体的には、まずやわらかめの歯ブラシを軽い力で持ち、歯と歯ぐきの境目に毛先を当てて小刻みに動かす磨き方に変えます。強い横磨きをやめるだけでも、ブラッシングによる退縮の予防につながることがあります。

次に、デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間のプラークを取り除き、歯周病の原因菌をためないようにします。歯ぎしりや食いしばりの自覚がある場合は、歯科医院でマウスピース(ナイトガード)などの対処を相談すると、特定の歯への負担を減らせることがあります。

生活習慣では、喫煙は歯ぐきの血流を下げて歯周病を悪化させやすいため、できる範囲で見直すことがすすめられます。そして、自分では気づきにくい初期の退縮や歯周病を見つけるためにも、3〜6か月ごとの定期健診とプロフェッショナルケア(クリーニング)を受けることが有効です。

例えば、毎日丁寧に磨いていても歯と歯の間の汚れは残りやすく、健診での早期発見が進行を抑えることにつながる場合があります。予防の効果には個人差があります。

歯茎の後退でやってはいけないこと・受診の目安

歯茎の後退で避けたいのは、見た目の変化を「年齢のせい」と自己判断して放置すること、しみるからと歯みがきを避けてかえって汚れをためること、強いブラッシングや自己流マッサージを続けることです。

歯肉退縮は自然に元の位置へ戻りにくく、背景の歯周病を放置すれば、知覚過敏や根面の虫歯、さらには歯がぐらついて抜歯につながることもあります。歯が長く見える・しみる・すき間が広がった、のいずれかに気づいたら、早めに受診すると安心です。

受診の目安として、冷たいものや歯みがきでしみる、歯が以前より長く見える、歯と歯の間にすき間や黒い三角形ができた、歯ぐきから出血する・腫れる、歯がグラつく感じがある、といったサインがあれば、歯周病や進行した退縮の可能性があるため早めの相談がすすめられます。

特に注意したいのが、しみるのがつらくてその部分を磨かなくなるケースです。汚れがたまって歯周病や根面の虫歯が進み、退縮をさらに悪化させる悪循環につながることがあります。

また、「下がった歯茎を戻すマッサージ」などの自己流ケアに頼りすぎると、原因への対処が遅れることがあります。歯ぐきが下がる速さや原因は人によって違うため、痛みがなくても、変化に気づいた時点で一度受診して原因と進行度を確認しておくと、選べる治療の幅を検討しやすくなります。進行の速さや治療の要否には個人差があります。

※本記事は一般的な情報を整理したものです。歯肉退縮の進行度や治療法の適応は症例により大きく異なります。個別の診断・治療方針については、必ず担当の歯科医師にご相談ください。

歯茎の後退に関するよくある質問

Q. 下がった歯茎は自然に元に戻りますか?

いったん下がった歯茎が、歯みがきやマッサージなどのセルフケアだけで自然に元の位置まで戻ることは難しいとされています。歯ぐきや支える骨が失われた部分は自然再生しにくいためです。ただし、原因を取り除くことで進行を抑えられる場合があり、改善を目指したい場合は歯肉移植などの治療を歯科医院で相談します。

Q. 歯茎の後退は何科・どこで相談すればよいですか?

歯科(歯科医院)で相談できます。背景に歯周病がある場合は歯周病治療を、見た目の改善を希望する場合は歯周外科や歯肉移植に対応している歯科医院が選択肢になります。まずはかかりつけや近隣の歯科で原因と進行度を診てもらい、必要に応じて専門的な治療を行う医院を紹介してもらうとよいでしょう。

Q. 歯肉移植は痛いですか?腫れますか?

歯肉移植は外科手術のため、麻酔下で行われますが、術後に腫れや痛みが出ることがあります。術後1〜2週間ほどで抜糸を行うことが多く、組織を採った部位にも一時的な違和感が出ることがあります。痛みや腫れの程度、回復の早さには個人差があり、術後の過ごし方は担当医の指示に従ってください。

Q. 矯正治療をすると歯茎は下がりますか?

矯正で歯を動かす過程で、もともと歯ぐきが薄い部位などに退縮が起こることはありますが、必ず起こるわけではありません。適切な診査と計画のもとで管理されるリスクです。歯ぐきの状態が気になる場合は、矯正前に歯周組織の評価を受け、リスクや対処について担当医に確認しておくと安心です。

Q. 歯茎の後退を放置するとどうなりますか?

放置すると、露出した歯根の知覚過敏や根面の虫歯が起こりやすくなり、背景に歯周病がある場合は進行して歯を支える骨がさらに失われることがあります。進めば歯がぐらつき、抜歯が必要になることもあります。見た目のすき間も広がりやすいため、変化に気づいたら早めに受診して原因を確認することがすすめられます。

Q. 歯茎を改善する治療に保険は使えますか?

歯周病そのものの治療(歯周基本治療など)は保険が適用されるのが一般的ですが、見た目の改善を目的とした歯肉移植やヒアルロン酸注入、ダイレクトボンディングは自由診療となることが多く、費用は全額自己負担です。保険適用の範囲は症例や処置内容で異なるため、事前に費用の内訳と税込総額を確認しておくと安心です。

Q. 知覚過敏で歯がしみるときはどうすればよいですか?

歯肉退縮で歯根が露出すると知覚過敏が起きやすくなります。知覚過敏向けの歯みがき剤を使う、やわらかい歯ブラシで弱い力で磨くといったセルフケアで和らぐことがありますが、しみる原因が虫歯のこともあります。我慢して磨かないと汚れがたまり悪化しかねないため、症状が続く場合は受診して原因を確認しましょう。

まとめ

歯茎の後退(歯肉退縮)は、歯周病・強すぎるブラッシング・歯ぎしり・噛み合わせ・矯正・加齢・喫煙などが原因で歯ぐきが下がり、歯が長く見える・しみる・すき間ができる、といった変化が現れる状態です。いったん下がった歯茎をセルフケアだけで元に戻すのは難しく、まずは原因を取り除いて進行を抑え、改善を希望する場合は治療を検討する、という順序が基本になります。

下がった歯茎の改善を目指す治療には、結合組織移植術(CTG)や遊離歯肉移植術(FGG)などの歯肉移植(1歯あたり約3万〜16万円・税込)、効果が一時的なヒアルロン酸注入、見た目を整えるダイレクトボンディングなどがあります。いずれも自費が中心で、腫れ・痛み・生着不全・効果の持続といったリスクや特徴があります。

歯周病が背景にある場合は、保険適用となることが多い歯周病治療で炎症や進行の抑制を目指すことが先決です。歯が長く見える・しみる・すき間が広がったといったサインに気づいたら、自己判断で放置せず、まずは歯科医院で原因と進行度を確認することから始めてみてください。

※本記事は一般的な情報を整理したものです。個別の症例については、必ず担当の歯科医師にご相談ください。治療効果・適応・進行の速さには個人差があります。

ベストチョイス編集部
ベストチョイス編集部

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