マウスピース矯正の費用はいくら?部分・全体矯正の料金と追加費用を解説

マウスピース矯正の費用は、前歯を中心とする部分矯正か、奥歯や噛み合わせを含む全体矯正かによって大きく異なります。料金は歯科医院、症例、使用するシステム、追加アライナーの条件によって変わり、公的に定められた全国一律の相場はありません。

料金を比較するときは、広告に記載された最安価格や月々の支払額だけでなく、精密検査、通院時の処置、治療後のリテーナーまで含む総額を確認することが大切です。

この記事では、部分矯正・片顎矯正・全体矯正の公開料金例、追加費用、保険適用、医療費控除、支払い方法を解説します。契約前に見積書で確認したい項目もまとめました。

この記事でわかること
  • マウスピース矯正の公開料金例と費用の考え方
  • 部分矯正と全体矯正の料金差
  • 表示料金以外にかかる可能性がある費用
  • 保険適用・医療費控除・支払い方法
  • 見積書と契約書の確認ポイント
目次

マウスピース矯正の費用は治療範囲によって異なる

マウスピース矯正の費用は、前歯を中心に動かす部分矯正で10万円〜60万円程度、奥歯や噛み合わせまで治療する全体矯正で60万円〜120万円程度が目安です。

以下の金額は、2026年7月時点で複数の歯科医院が公開している料金例と、2025年4月に35施設の公開料金を集計した資料を参考に整理した目安です。35施設の調査資料には部分矯正・全体矯正など異なる治療範囲が含まれ、料金に含まれる項目も統一されていないため、区分別相場を直接算出した統計としては使用していません。公的に定められた全国一律の相場ではないため、実際の総額は精密検査後の見積書で確認してください。

歯の移動量が大きい場合や抜歯を伴う場合は、この費用範囲を超えることがあります。また、症例によってはマウスピース型矯正装置が適さず、ワイヤー矯正との併用や別の治療方法を提案される場合があります。

治療範囲公開料金例からみた目安主な対象
前歯の部分矯正10万円〜60万円程度前歯の軽い凸凹、すき間、傾きなど
片顎を対象とするプラン歯科医院の料金体系による上顎または下顎を中心に治療するプラン。適応、対象範囲、料金区分は医院によって異なる
上下の全体矯正60万円〜120万円程度奥歯や噛み合わせを含めて治療するケース

同じ「全体矯正」でも、作製するマウスピースの枚数、治療期間、治療計画を修正する回数などによって費用は異なります。正確な金額は、歯科医師の診察と精密検査を受けたうえで確認してください。

「部分矯正」「片顎矯正」「全体矯正」の名称、対象範囲、料金区分は歯科医院によって異なります。片顎のみの治療を希望する場合も、上下の噛み合わせを含めた診断を受けてください。

料金例・調査の参考:レオンデンタルオフィス「マウスピース矯正の費用・相場は実際いくら?」大阪梅田矯正歯科「マウスピース矯正の値段はいくら?」マウスピース矯正値段調査シート(35か所)

関連記事:マウスピース矯正で前歯だけの値段相場は?部分矯正の費用や注意点

部分矯正と全体矯正で費用が違う理由

部分矯正と全体矯正では、動かす歯の範囲、必要なマウスピースの枚数、治療期間が異なるため、費用に差が生じます。

部分矯正は前歯を中心に治療する

部分矯正は、前歯の軽い凸凹やすき間など、限られた範囲を治療する方法です。動かす歯が少なく、治療期間が比較的短いケースでは、全体矯正より費用を抑えられる場合があります。

ただし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合や、歯を並べるスペースが大きく不足している場合には適しません。前歯だけが気になる場合も、上下の歯並びと噛み合わせを診断してもらいましょう。

全体矯正は奥歯や噛み合わせまで治療する

全体矯正では、前歯だけでなく小臼歯や奥歯を含めて歯列全体を動かします。部分矯正より作製するマウスピースが増えやすく、治療期間も長くなるため、費用は高くなる傾向があります。

抜歯や大きな歯の移動が必要な場合は、マウスピース矯正だけで対応できるか、ワイヤー矯正を併用するかも含めた判断が必要です。

片顎矯正でも上下の診断が必要

上顎または下顎だけを対象にした料金プランを設けている医院もあります。ただし、歯は上下で噛み合うため、片顎だけを動かすことで噛み合わせが変わる可能性があります。

希望する治療範囲だけでなく、片顎矯正後の噛み合わせまで説明を受けてください。

マウスピース型矯正装置の適応範囲は、装置の種類や歯科医師の治療計画によって異なります。希望する料金プランだけで決めず、歯根や顎の骨、上下の噛み合わせを含めた検査を受けてください。

参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解 第2版」

マウスピース矯正の総額に含まれる費用

見積もりは装置代だけでなく、相談から治療後の保定までを通して確認します。医院によって、各費用を総額に含める場合と、別途請求する場合があります。

費用項目内容確認ポイント
初診相談料歯並びや治療方法の相談無料か有料か
精密検査・診断料エックス線撮影、口腔内写真、歯型、口腔内スキャンなど基本料金に含まれるか
装置代治療計画とマウスピースの作製対象範囲と作製枚数
調整料・再診料経過確認や口腔内の処置通院ごとか総額に含まれるか
追加アライナー代治療計画を修正して装置を追加作製回数・期間・適用条件
保定装置代治療後に使用するリテーナー初回作製と再作製の費用
保定中の診察料歯並びやリテーナーの確認通院頻度と1回あたりの費用

「トータルフィー制」「総額制」という名称でも、含まれる診療内容や保証期間は歯科医院によって異なります。追加アライナー、再診、保定、装置の紛失・破損、リテーナーの再作製、虫歯治療、抜歯などが含まれるかを書面で確認してください。

追加費用が発生しやすい3つのケース

契約後に予算を超えないよう、追加料金が発生する条件を見積書と契約書で確認してください。

追加アライナーを作製する場合

治療中の歯の動きが計画とずれた場合は、口腔内を再度スキャンし、治療計画を修正してマウスピースを追加することがあります。無料になる回数や期間はプランによって異なるため、適用条件まで確認してください。

装置やリテーナーを紛失・破損した場合

マウスピースやリテーナーを紛失・破損すると、再作製費がかかる場合があります。矯正治療後に使うリテーナーについても、初回作製、再作製、保定中の診察にかかる費用を確認しましょう。

治療を中断・転院する場合

転居や治療中断により通院を続けられなくなる場合があります。解約時の返金計算、未使用のマウスピースの扱い、転院先への資料提供にかかる費用も契約前に確認しておくと安心です。

見積書を比較する5つの手順

費用を比較するときは、最安価格ではなく、同じ治療範囲と条件で総額を比べます。

  1. 部分矯正・片顎矯正・全体矯正のどれを提案されているか確認する
  2. 精密検査から保定まで、見積もりに含まれる項目へ印を付ける
  3. 通院回数を想定し、調整料などの変動費を加える
  4. 追加アライナー、紛失・破損、治療延長時の料金条件を確認する
  5. 中断・転院・返金の条件を契約書で確認する

複数の医院で相談する場合は、検査前の概算だけでなく、検査後の治療計画と見積書を比較してください。治療範囲が異なるときは、なぜ部分矯正または全体矯正が必要なのか説明を受けましょう。

一般的なマウスピース矯正は原則として保険適用外

一般的なマウスピース矯正は自由診療であり、原則として公的医療保険は適用されません。

ただし、厚生労働大臣が定める疾患に起因する咬合異常、前歯および小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因し、埋伏歯開窓術を必要とする咬合異常、顎離断等の手術を必要とする顎変形症の手術前後の矯正治療は、保険診療の対象になる場合があります。

保険適用の矯正治療は、所定の施設基準を満たし、地方厚生(支)局長へ届け出た保険医療機関で受ける必要があります。また、保険適用となる病名・症例であっても、マウスピース型装置を保険診療で使用できるとは限りません。使用できる装置と治療方法は医療機関へ確認してください。

参考:公益社団法人 日本矯正歯科学会「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは」

マウスピース矯正は医療費控除の対象になる場合がある

年齢、症状、治療目的などから社会通念上必要と認められる歯列矯正は、医療費控除の対象になる場合があります。容貌を美化することだけを目的とする矯正は対象外です。

治療費の領収書、契約書や信販会社の領収書など立替払いの内容を確認できる書類、電車やバスなどの公共交通機関を利用した通院交通費の記録を保管してください。自家用車のガソリン代や駐車料金は、医療費控除の対象外です。

デンタルローンでは、信販会社が医院へ立て替え払いをした年の治療費が対象になる場合があります。ただし、ローンの金利や手数料は医療費控除の対象外です。判断が難しい場合は、所轄の税務署や税理士へ確認してください。

参考:国税庁「No.1128 医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」

マウスピース矯正の主な支払い方法

医院によって、現金一括払い、クレジットカード、院内分割、デンタルローン、銀行振込などを利用できます。

支払い方法特徴確認ポイント
現金一括・銀行振込治療費をまとめて支払う支払期限、返金条件、振込手数料
クレジットカードカード会社の一括・分割等を利用利用限度額、分割手数料
院内分割医院へ分割して支払う分割回数、手数料、支払期限
デンタルローン信販会社が治療費を立て替える審査、実質年率、総支払額

「月々3,000円から」などの表示だけでは、返済期間や手数料を含む負担はわかりません。分割払いを利用するときは、支払回数、実質年率、分割手数料、最終的な総支払額を確認しましょう。

費用面で後悔しないための契約前チェックリスト

カウンセリングと契約の前に、次の項目を確認してください。

  • 提案された治療範囲と、その範囲を選ぶ理由
  • 精密検査から保定終了までの見積総額
  • 追加アライナーの回数・期限・追加料金
  • 紛失・破損・治療延長時の費用
  • 中断・転院時の精算と返金条件
  • 適応外だった場合や計画どおり進まない場合の代替治療

口頭での説明だけで判断せず、見積書と契約書に記載されているか確認しましょう。

マウスピース矯正の主なリスク・副作用

マウスピース矯正では、装着時間が不足すると計画どおりに歯が動かず、治療期間の延長や追加アライナーが必要になる場合があります。

治療中は痛みや違和感、口内炎、虫歯・歯周病、歯根吸収(歯の根が短くなること)、歯ぐきが下がることなどが起こる可能性があります。

治療後は後戻りを抑えるためにリテーナーを使用します。リテーナーの使用状況に加え、加齢や歯周組織の変化などによっても、治療後の歯並びが変化する可能性があります。

歯の動き方によっては、アタッチメントの追加、歯の形を調整する処置、治療計画の変更、ワイヤー矯正との併用が必要になる場合があります。

歯並びや骨格の状態によってはマウスピース矯正が適さないため、治療前に適応、期間、費用、代替治療、主なリスクについて説明を受けてください。

マウスピース矯正の費用に関するよくある質問

Q. 30万円でマウスピース矯正はできますか?

前歯を中心とする軽度の部分矯正では、30万円前後の料金プランが案内される場合があります。ただし、治療できる範囲は歯並びや噛み合わせによって異なります。表示料金に検査料、調整料、追加アライナー、リテーナーが含まれるかも、精密検査後の見積書で確認してください。

Q. 表示価格以外に何がかかりますか?

精密検査・診断料、通院時の調整料、追加アライナー代、リテーナー代、保定中の診察料などが別にかかる場合があります。抜歯や虫歯・歯周病の治療費も通常は別です。

Q. 安いマウスピース矯正を選んでも大丈夫ですか?

料金だけで治療の良し悪しは判断できません。治療範囲、診断体制、経過確認、追加アライナー、保定、トラブル時の対応を含めて比較してください。

Q. デンタルローンでも医療費控除を利用できますか?

治療目的が医療費控除の要件を満たす場合、信販会社が立て替えた年の治療費が対象になることがあります。金利・手数料は対象外です。契約書や支払明細を保管し、税務署や税理士へ確認してください。

Q. 部分矯正と全体矯正はどのように選びますか?

前歯だけが気になる場合も、奥歯の噛み合わせや歯を並べるスペースによって全体矯正が必要になることがあります。見た目だけで判断せず、精密検査後に適した治療範囲を確認してください。

まとめ|表示価格ではなく治療終了までの総額を確認しよう

公開料金例では、部分矯正で10万円〜60万円程度、全体矯正で60万円〜120万円程度のプランが見られます。ただし、これは公的な全国相場ではなく、治療範囲や料金に含まれる項目によって総額は異なります。

まずは精密検査を受け、治療範囲と追加料金の条件がわかる見積書を取得してください。複数の医院を比較する場合は、同じ治療範囲・同じ費用項目で治療終了までの総額を比べましょう。

費用情報の調査方法・更新情報
  • 調査方法:歯科医院が公式サイトで公開しているマウスピース矯正の料金例と、公開料金をまとめた資料を確認
  • 確認項目:治療範囲、装置料、検査料、調整料、追加アライナー、保定装置料
  • 注意事項:料金区分や料金に含まれる項目は医院ごとに異なり、本記事の金額は公的な全国相場ではありません
  • 情報確認日:2026年7月

参考情報

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この記事を書いた人

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